サーバ導入で踏み出すIT化の第一歩ゼロから始める中小企業IT化への道(1/2 ページ)

中小企業のIT化は、大企業や中堅企業に比べるとどうしても遅れがちだ。景気に左右されやすい一般的な中小企業はどのようなプロセスでITを導入していけばよいか、ステップアップできるように解説していく。

» 2005年11月17日 07時52分 公開
[伊嶋謙二,ITmedia]

  伊嶋 謙二(ノークリサーチ代表)

 中小企業というのは、大企業や中堅企業に比べるとITに関して不利なことが多い。事業全体が景気に左右されやすいため、予算で動く大企業や中堅企業のように毎年定まった金額のIT投資を行うことは難しいからだ。IT化に関して中小企業はどうしても遅れをとってしまいがちだ。

 この連載では、ごく一般的な中小企業がIT導入を推進する際の参考となるようにしたい。ITに精通していない中小企業の皆さんでも理解できるように、誰にでも分かる言葉で説明していく。連載が終わるころには、どういったプロセスでITを導入していけばよいのか、一通り理解できるレベルに到達できるはずだ。それでは「IT」とは何か? OAとは何が異なるのか? まずはここから見ていくことにしよう。

OAは事業の効率化、ITは事業の戦略化

 そもそもOA(Office Automation)とは、FAXやコピー機などを用いて自社の業務を効率化し、経費削減することを目的としたものだ。今でもFAXやコピー機といったOA機器は使用され、どの企業にとっても業務上欠かすことのできない機器となっている。それに対して、IT(Information Technology)は、事業を「戦略化」するためのものであると考えてほしい。従業員間の情報の共有を図ることで生産性を向上させたり、煩雑な作業から解放することでより付加価値の高い仕事に専念できるようにするのだ。もちろんITはOA機器の存在を否定するものではなく、ITを導入することでOA機器をさらに効率的に使えるようにもなる。

ITとOAの概念図 ITとOAの概念図

 企業の中でOA機器はそれぞれ独立して設置されていた。オフコン、ワープロ、単体のパソコンは一つの機器に一つの目的を果たすための機能が搭載されており、それぞれが連携することなく存在していた。例えば、オフコンで帳票を発行し、ワープロで入力業務をこなし、パソコンで給料を管理するといった具合だ。しかし、これらをすべてまとめて一つの機器で作業できたらもっと効率的な業務が可能になるのではないか? 現在はFAXとコピーの機能が一体となった機器を使用しているが、その機器をパソコンと接続させプリンタとしても活用できたらどうだろうか? さらに社内にネットワークを導入することで、複数台のパソコンのプリンタとして使ってみたらどうだろうか? IT化の第一歩はこのようにネットワークでつなぐことからスタートする。

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