メモリ専用データベースを武器にシステムの高速化を図るソフトバンク・テクノロジー

» 2005年11月18日 21時05分 公開
[ITmedia]

 ソフトバンク・テクノロジーは、シアンス・アール(SAI)と業務提携し、SAIが日本国内総販売元となっているリアルタイムテックのメモリリレーショナルデータベース「Kairos」の販売を開始すると発表した。Kairosはサーバの64ビット化を背景に、ハードディスク上でデータ処理を行う従来のリレーショナルデータベース(RDBMS)のボトルネックを、大容量のメモリを積極的に活用することによって解消する。データ処理の高速化を図る安価なメモリ専用のRDBMSとなっている。

 従来のデータベース処理では、ディスクI/Oがレスポンスタイムを低下させる大きな要因として挙げられていた。データ量や項目が増加したり、問い合わせが複雑化したりするほど、データベースプロセスは作業領域をディスク上に確保して結果を抽出するため、さらにディスクI/Oが発生、レスポンスを低下させていた。こうした問題に対応しながら、データベースのパフォーマンスを向上させるためには、日々のパフォーマンスチューニングやバッチ処理による結果セットの作成など、多くの運用作業が必要になっていた。

 Kairosは、メモリ上でデータ処理することで、これらの問題を解決し、通常のRDBMSの10倍以上のレスポンス向上も見込めるという。また、既存のRDBMSとの親和性も高く、データのレプリケーションをダイレクトに行うことができるという。

 具体的には、SQL言語(ストアドプロシジャ機能、フアンクション機能)でのインタフェース(SELECT、INSERT、UPDATE、DELETE)が提供されているため、既存のデータベースアプリケーション上でデータのレプリケーションを設定すれば、APIを変換せずに、接続先を切り替えるだけで理論的にはレスポンスを向上させることができるという。

 ソフトバンク・テクノロジーは、顧客企業へのシステムインテグレーションに際して、Kairosを積極的に利用し、高パフォーマンスのシステムを提供するとしている。また、Kairosのコンサルティング、導入、運用サポートなど、一貫したサービスとして提供することで、初年度の売上高として5億円を見込んでいる。

 また、主な利用形態としての主なターゲットは、ECサイトの商品検索機能や、大量のデータを伴うバッチ処理の高速化などが挙げられている。

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