顧客獲得のためボーダフォンスペインがILOG JRulesで新システム

» 2005年11月21日 12時34分 公開
[ITmedia]

 ソフトウェア・コンポーネントを提供するIlogの日本法人、アイログは11月21日、欧州の大手携帯電話サービス・プロバイダーであるボーダフォンのスペイン子会社、ボーダフォンスペインが、IlogのBRMS(ビジネスルール管理システム)製品群の主要製品であるILOG JRulesを採用したと発表した。

 これにより、ボーダフォンスペインは、携帯電話サービスの加入ユーザー1000万人を対象とする、プロモーション用の基盤プラットフォームを新たに構築する。具体的には、JRulesを利用して、顧客獲得やロイヤリティ向上プログラムなど、新規プログラムを迅速に投入することで、売り上げ低迷時期における売上高の底上げなどを図る。

 なお、ビジネスルールとは、システム内の「If〜Then構文(もし〜ならば〜をする)のこと。例えば「もし40%以上のディスカウントが必要ならば営業部長決裁とする」というような、企業のビジネスポリシーのチェック項目だ。BRMSは、このビジネスルールの設定、変更、操作、管理を包括的に提供することにより、企業の業務プロセスを効率化するシステムとなっている。

 ボーダフォンスペインは、JRulesの採用により、ルールを基盤とする新プロモーションシステム「NPPI」(New Platform of Integrated Promotions)を構築し、オンラインによるプロモーションが初めて可能になった。さらに、新規プロモーションの準備期間の短縮にもつながるとしている。

 競争が非常に激化している携帯電話市場において、サービス・プロバイダーが懸念していることは、他社携帯電話への乗り換えによる顧客数の減少であり、結果として、いわゆる「チャーン(churn)管理」の重要性が高まっている。ボーダフォンスペインでは、新規顧客獲得ならびにチャーンを減少させる顧客ロイヤリティ管理プログラムにおいて、プロモーション活動を重視、これらのプログラムは新規申込者へのインセンティブ提供や既存顧客への特典が柱となっている。

 NPPIを導入する以前、同社のプロモーション活動は面倒で非常に時間がかかっていたという。個々のプロモーションは、CRMシステムと請求システムの両方で別々のプログラムコードとして書き込まれており、新規プロモーションの導入や既存プロモーションの変更には、適応資格に関する規定を作成し、変更するためのプログラムコードを開発しなければならなかった。さらに、システム間でルール変更内容に矛盾がないことを確認するための追加コーディングを行う必要もあったという。

 JRulesにより、別のプロモーションにマッピングされている各種のビジネスポリシーを、単一プラットフォーム上で一元管理することが可能になったという。ビジネスルール管理機能を提供するILOG JRules の採用により、ボーダフォンスペインのプロモーションチームでは、ユーザーが自分でプロモーションを構成したり、更新したりすることが可能になった。

 また、関連するビジネス・ポリシーを分かりやすい意思決定表にまとめたり、プロモーションへの反応をリアルタイムに監視したりすることで、調整を加えることもできるようになったとしている。

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