従来版のFirefoxの自動アップデートは、ほとんど名ばかりの機能だった。この機能は基本的に、ブラウザの最新アップデートが利用可能であることをユーザーに通知し、新バージョンの手作業でのフルインストールを開始するだけだったからである。
Firefox 1.5の自動アップデート機能はシームレスに動作し、新規にフルインストールする必要がなく、Firefoxの拡張機能もサポートする。
Firefox 1.5のβ版で行ったわれわれのテストでは、自動アップデート機能がきちんと動作した。しかしバージョン1.5に関しては、リリースされてから日が浅いこともあり、まだアップデートが存在しない。われわれは最初のアップデートがリリースされた後で、自動アップデート機能に関する評価をeWEEKラボのブログに掲載する予定だ。
ユーザーが利用している拡張機能がFirefox 1.5で使えるかどうかも、現時点では不明だ。新ブラウザでは拡張モデルが変更されており、Firefox用アドオンの開発者は新バージョンに対応するよう拡張機能を書き直す必要があるからだ。
ラボのテストでは、われわれのお気に入りの拡張機能(FireFTPなど)はいずれもFirefox 1.5で使えなかった。特定の拡張機能を利用する必要があるユーザーの場合は、そのアドオンがバージョン1.5用にアップデートされるまでFirefoxのアップグレードを見合わせた方がいいかもしれない。
eWEEKラボでは、Firefoxは素晴らしいWebブラウザであり、MicrosoftのInternet Explorerの現行版よりも遙かに優れていると考えているが、Firefoxが企業ユーザーのニーズに応えていないのを以前から不満に感じてきた。今回のバージョンでも、大企業での配備に適したデザインにはなっていない。
われわれは、現在進行中の「Client Customization Kit」開発プロジェクトに注目している。これは、企業がFirefoxブラウザの配備方法をカスタマイズすることを可能にする技術で、かつてのNetscapeのモデルに近い。
また、Firefoxはラッパーのサポートを提供するだけでなく、Microsoft Installer技術をフルにサポートすることが望まれる。そうなれば、Firefoxの配備でWindows Group PoliciesやActive Directoryを利用できるようになる。これは大企業での配備に不可欠なポイントだ。
Firefox 1.5のそのほかの強化点としては、Firefoxに対応しないWebサイトを報告するウィザードや、アクセシビリティの改善などがある。
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