7分で分かる11月のBlog界(2/2 ページ)

» 2005年12月09日 19時51分 公開
[森川拓男,ITmedia]
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アクセスはPC? ケータイ? からなのか

 いまやPCだけでなくケータイからインターネットにアクセスすることが当たり前となった。しかし、PCとケータイとでは表示方法が完全に同じではない。そこで、ケータイ用サイトを用意するケースが多い。それは、ケータイ用のURLを用意することで実現しているが、FC2ブログは11月17日、ケータイで各ユーザーのブログにアクセスする場合、自動的にモバイルページへと転送する設定変更を行って利便性を高めたという発表を行った(関連記事)

 このような対応は、ユーザーが何も考えずにアクセスして、自動転送されるため歓迎すべきところだ。ブログのみならず、すべてのサイトでこのような対応が標準となれば、利便性はさらに増すだろう。しかし、その前にケータイ用のフルブラウザが普及してその問題が解消されるかもしれない。

 また、ケータイ対応という点では、エキサイトが提供するブログサービス「エキサイトブログ」のモバイルサービス「エキサイトブログ・モバイル」β版は、10月31日にトップページへログインボックスを設置し、機能追加を実施している(関連記事)

ブログとマーケティングの関係

 ビジネスでブログを利用する傾向が増えているが、はたしてマーケティング目的でブログは有効なのだろうか? ブログでは、自由な書き込みがあるがゆえ、マーケティング的に想定外の方向に進んでしまう可能性も考えられるからだ。もちろん、そのコントロールこそが成功へのポイントといえる。

 11月28日に社団法人日本広告主協会Web広告研究会から発表されたのは、その現状を調査した結果だった(関連記事)。この発表によると、ブログはマーケティングに有効ではないか、という興味深い結果が読み取れる。ブログでは、製品に関する言及では批判的な意見よりもポジティブなものが多いというのだ。やはり掲示板などと違い、仮に匿名であってもブログの中で継続的に書き続けることになるため、非建設的、悪意的な誹謗・抽象には走る傾向が少ないのではないか? と指摘されている。

 健康食品や医薬品などをインターネットで通信販売するECサイト運営のケンコーコムは、わかもと製薬の薬用歯磨き「アバンビーズ」の発売を記念して、ブログを利用した「“アバンビーズ”ブログ トラックバックコンテスト」を、28日から開催した(関連記事)。これもブログを利用した新しい形のマーケティングだろうか。

「閉じる」ブログへ

 ビジネスシーンでのブログ活用の中では、社内(グループ内)で閉じた利用をするケースもある。イントラネットで利用するブログがそうだ。そこで問題となるのは、ファイアウォールの中に設置するとはいえ、やはりセキュリティが問題となる。閉じられた空間と思って書いたことが外に漏れてしまえば、大問題になる場合もあるだろう。

 イーハイブ・コミュニケーションが11月8日、同社が提供している社内およびグループ内用コミュニケーションツール・ナレッジマネジメントツールとして、「COMLOG」(コムログ)と呼ぶ社内コミュニケーションブログを発表した。セキュリティー強化としてのSSL対応を実施し、前述の不安の一部を解消する(関連記事)

 また、これとは別に、企業サイトでブログツールを利用するケースも増えている。そこに目をつけたのはオークだ。11月7日、CMSに特化して企業Webサイトを構築するブログツール「blog OK!」を発表した(関連記事)。ウリとされているのは、国内初となる導入時にインストラクターが企業を訪問し、運用方法を直接レクチャーするサービスが付加されているという点だ。導入したいけれどイマイチ踏み切れないといった中小企業には朗報だろうか。ブログの使い方は簡単だとはいえ、シニア層やさらにITに慣れ親しんでいない人にもアピールができるのだろう。

RSSリーダーを乗り換える?

 RSSが普及する中で焦点となるのは、ユーザーがどのような形でRSSを取得しているのか? という点だろうか。例えば、筆者の場合は、ふだん利用しているメールソフトのプラグインとしてRSSを取得、メールといっしょに参照している。それとは別に、メールソフトライクのRSSリーダーを利用したり、デスクトップツール、ブラウザのツールバー、さらにはWeb版のRSSリーダーなどさまざまなものがある。ただし問題となるのは、使い込むほどにRSSの取り込み数が増えていき、ほかのリーダーへの移行が難しくなることだろうか。

 このような背景を理解してか、NECの「BIGLOBE」は11月14日、Web型RSSリーダー「ウェブリリーダー」β版において、OPMLインポート機能追加の発表を行った(関連記事)。この搭載により、ほかのRSSリーダーに登録しているブログを一括登録することが可能となるのだ。

 ほかのリーダーからの乗り換えを誘発できるのかどうか、そしてほかのリーダーの対応も含めて、見守っていきたい。

レンタルサーバにもブログツールを

 最近は、ホスティングサービスでもブログツール、CMSツールの利用が前提としてアピールされてきている。それも、「このようなツールが利用可能かどうか」ではなく、「簡単に導入・使用することができるのか」といった目的重視なところに視点が向いているのだ。

 ファーストサーバは11月1日、「Movable Type」や「XOOPS」などのWebアプリケーションのインストールを顧客に代わって行う「インストール支援サービス」の提供を開始した(関連記事)。個々のユーザーがやらなければならなかった範囲を代行してくれるのは、すそ野を広げるものとして期待できるはずだ。

 さくらインターネットは11月10日、同社が提供する個人向けレンタルサーバサービス「さくらのレンタルサーバ」の機能拡充のため、シーサーと技術提携を行うと発表した(関連記事)。そのサービスの第一弾として、「さくらのレンタルサーバ」向け無料オプション「さくらのブログ」の提供を11月中旬より開始。「Seesaaブログ」エンジンを採用しており、手軽に始められるのが強みだ。

 CPIが11月28日に導入を発表した、共用レンタルサーバサービス「シェアードプラン」(G1-G5)へのECサイト構築の「CMS導入支援ツール」も同じような側面だ(関連記事)。オープンソースのECサイト構築ツールosCommerceへの対応で、11月21日に導入されたXOOPSインストーラーに続く第2弾になるものという。

ホームページビルダーがブログ対応へ

 最後に、日本アイ・ビー・エムのホームページ作成ソフト「ホームページビルダー」について触れておきたい。

 11月15日に発売された最新バージョン「ホームページビルダー10」では、ブログとの連動が特徴の1つになっている(関連記事)。幾つかのブログサービスとMovable Typeをサポートし、ホームページビルダーからブログの記事編集や投稿、管理ができるようになった。対応しているブログサービスは、アメーバブログ、AutoPage、gooブログ、ココログ、So-net blog、livedoor Blog。ただし、あくまでもホームページビルダーからの編集、投稿作業であり、ブログサーバへ投稿した記事の削除機能は搭載していないとのこと。

 また、サーバサイドでMovable Typeを使いやすくするためのツールも登場している。スカイアークシステムは11月17日、WYSIWYGエディタを実装し、FTPを利用しなくてもファイル管理が可能な「ファイル管理機能」、そしてWebサイト構造を視覚的に理解できる「エントリー階層化表示」も備えたMovable Type(以下、MT)専用管理画面「MTCMS」β版を公開(関連記事)、MTCMSを利用することでMTが、手軽に分かりやすく簡単に更新可能なCMSになるという狙いだ。

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