経営者・役員がITの推進者・決定者となるのは14.4%と比率が低い。IT部門が導入を提案して、購入の意思決定のみを経営者・役員が行うケースが最も多く、64.3%と圧倒的だ。中堅・中小企業の実態としては、ITの導入は担当者がほぼ決定し、経営者はハンコを押すだけの状況ということが分かる。
一言で言えば、非常に良くない結果だ。IT導入は経営を効率化、戦略化することにつながる。経営者は担当者に一任するだけではなく、自社のシステムがどのような状況にあって、ITを導入することがどのような結果をもたらすかをよく見なければならない。
IT導入が可能にするのは、業務を効率化して、コストを削減することだけではない。自社システムを戦略的に活用することで、企業をより戦略的に経営することができるのだ。しかし、現状としては、経営者がIT導入に関与する場合は少なく、システムを戦略的に活用するためのIT導入は果たされていない。これからIT化を進める中小企業は、このような現状を打破するためにも、サーバの選定から経営者が積極的に関与して、経営戦略を立てるべきだろう。
次回は、戦略的にITを活用できるようになるために、「情報系」「基幹系」「フロント系」の3つに分け、ITをどのようにして導入していくべきか解説したい。
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