Oracle「Fusion」でIBMサポートを求めるPeopleSoftユーザーの心理(1/2 ページ)

WorldおよびEnterpriseOneユーザーの多くはiSeriesを使用している。今後も使い続ける選択肢を求めるユーザーが多いが、Oracleはどのような決断をするのか。動向に多くが注目している。(IDG)

» 2005年12月19日 15時55分 公開
[IDG Japan]
IDG

 元PeopleSoftのユーザーを対象とした調査によると、Oracleはベストオブブリード型アプリケーションスイート「Fusion」の開発を進めている。同社はライバルといえるIBMのハードウェア/ソフトウェアをロードマップに含めるべきだという。

 Oracleは2004年、J.D. Edwardsの顧客引き継ぎ作業の最中にあったPeopleSoftを買収した。その後Oracleは、自社の「E-Business Suite 11i」を含む各種アプリケーションスイートのコンポーネントをベースとして、Fusionアーキテクチャの開発を進めてきた。技術的な詳細はまだ固まっていないが、元PeopleSoftおよび元J.D. Edwardsのユーザーらは、これまでのIBM製品に対する投資が無駄にならないようOracleに意向を求めてきた。

 Quest International Users Groupは先週、300ユーザーを対象とした最近の調査結果を発表した。それによると、多数のユーザーがFusionのロードマップにIBM iSeries-AS/400サーバプラットフォームのサポートを含めるべきだと考えている。ケンタッキー州レキシントンに本部を置くQuestは、元PeopleSoftと元J.D. Edwardsの両方のユーザーをメンバーとするグループであり、その中には、J.D. Edwardsの旧メインフレームアプリケーションであるWorldをAS/400上で利用しているユーザーもいる。

 Questでは、この調査結果に基づき、Fusionに適したプラットフォームとしてiSeriesを位置付けることは、価格や機能よりも重要なことであると指摘している。回答者の29%は、「同サーバがサポートされなければ、Fusionアーキテクチャに移行しない」としており、50%は「同サーバがサポートされない場合、アップグレードするかどうか不明」と答えた。

 また、調査に回答したWorldユーザーのうち、「既存のアプリケーションを使い続ける」と答えたユーザーは35%を上回った。ソフトウェアも重要なポイントであり、回答者の85%はIBMのDB2を使用していると答え、67%は同データベースのみの使用だ。

 Questのジョン・マテルスキー会長によると、Worldおよび「J.D. Edwards/EnterpriseOne」ユーザーの多くはハードウェアとしてiSeriesを使用しており、今後も使い続ける選択肢を求めているという。ほかのプラットフォームに切り替えるコストがないというユーザーもいる。同氏はさらに、「調査の結果、ほとんどのユーザーは、新しいインフラ移行を強いられることを望んでおらず、それを強いられるのであれば、ほかのオプションを検討するつもりであることが明らかになった」と指摘する。

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