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» 2006年01月17日 08時50分 UPDATE

e文書法の活用術:スキャンした紙文書に改ざんはないといえる? (4/4)

[佐藤慶浩,ITmedia]
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 ここでは、紙文書を改ざんしてから、それをスキャンするということについて説明してきた。しかし、報告書では、スキャンした後の画像データに対して、画像加工を施して改ざんすることについての対策は触れられていないが、実はそのような改ざんを、元の紙文書なしに、最終的な電子文書だけで必ず見破るというのは技術的に極めて困難で、不可能に近い。スキャンした本人がその直後の画像データを改ざんすることに関しては、おそらく完全には防止できないだろう。逆に言うと、それをされたら問題を生じるような文書については、スキャン前の文書を保管しておかないと、身の潔白を電子文書だけで完全に証明するのは困難なわけだ。

元の紙文書をスキャンした画像ファイルをソフトウェアで加工した例。ソフトウェアを使用して、数字の「1」と「6」を交換することで改変してみた
改変の例
改変前:\123,456-
scan1-0150dpi-color.jpg
改変後:\623,451-
scan3-0150dpi-color.jpg

文書の電子化をあきらめるべきか

 e文書法によって、スキャン文書の電子化による原本の廃棄を普及するためには、行政文書を受理する行政機関側が十分条件をより具体的に示すことが何より必要だ。その条件を満たしていれば、電子文書そのものについては、改ざんについての疑義を持たないと断言してもらわないと困る。ただ、それと同様のことが、これまでの紙文書についても示されていないことについて考えてみるのは興味深いが、ここではこれ以上触れないことにする。

 とはいえ、文書の電子化は不毛だと考えるのは間違いだ。そこまでの耐改ざん性を必要としない文書については問題がないし、改ざんの疑いを持たれるようなことでなければ、それを電子文書の技術面だけで反証する必要もないはずだ。電子化できることから順次始めるということがあってもよいはずだ。そもそも、電子文書の耐改ざん性だけに頼って、業務を電子化するというのは現実的ではないということでもある。

 耐改ざん性を維持するためには、文書の電子化の技術的な部分だけではなく、そのほかのさまざまな仕組みとともに業務手順などの運用も含めて構築すべきである。そのことを踏まえて全体設計を十分なものとすることが重要である。

佐藤慶浩

日本ヒューレット・パッカードの個人情報保護対策室長。経済産業省「文書の電磁的保存等に関する検討委員会」委員などを歴任し、現在は内閣官房情報セキュリティセンター内閣参事官補佐も併任している

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