データベースにもILMを適用 コンプライアンス対応を容易に――日本HP

日本HPは、DB専用のアーカイブソフトウェア「HP StorageWorks RIM for DB」を発表した。DB向けのILMソフトウェアで、アクセス頻度の低いDBのデータを自動で識別し、ポリシーに応じ低価格なストレージなどへ自動的に再配置する。

» 2006年01月24日 17時39分 公開
[堀哲也,ITmedia]

 「伝統的なボックスの世界から、ライフサイクルに応じたインテリジェントな管理に移行しなければならない」――米Hewlett-Packardのインフォメーションライフサイクルマネージメント製品マーケティング&ソリューションディレクター、ゲーリー・リング氏は、ストレージにまつわる課題に対し、ILM(情報ライフサイクル管理)のアプローチで取り組む必要があると強調した。

 企業にとって情報の価値が高まる中、情報を格納するストレージにかかわる課題が顕在化。事業継続性の確保、コンプライアンス(法令順守)、運用管理――などと対応を差迫られている。しかし、情報の量は18カ月ごとに倍増するとも言われる速度で増加しており、その管理はますます困難になってきている。

 日本HPは1月24日、データベース(DB)専用のアーカイブソフトウェア「HP StorageWorks Reference Information Manager for Databases」(RIM for DB)を発表した。同製品は、DB向けのILMソフトウェアと言えるもので、アクセス頻度の低いDBのデータを自動で識別し、ポリシーに応じ低価格なストレージなどへ自動的に再配置する。これによるストレージのコスト低減だけでなく、稼働中のDB容量を減らすことで、アプリケーションのパフォーマンス維持にも効果を発揮する。また、バックアップ作業を減らせるなど、運用面でのメリットも見込めるという。

 再配置された情報は、アプリケーションからは1つのデータベースとして透過的に見えるため、変わらずにアクセス可能という。また、完全にアクセスがなくなったデータを、さらにテープメディアなど長期保管用のストレージにアーカイブすることで、法規制などで求められる長期保存にも対応することができる。

 日本ヒューレット・パッカードのストレージ・ワークス製品本部本部長の渡辺浩二氏は、「企業はコンプライアンス対応に多くの投資を行うことはできない。一部のデータを外出しして、コストを下げながら対応する。このようなコンセプトでないと、企業は対応しきれない」と話す。

 RIM for DBが対応するDBは、Oracle 8.1.7/9.2.0.4/9.2.0.5、Sybase ASE。また、対応アプリケーションは、Oracle E-Business Suite 10.7/11/11i、SAP Business Intelligence 4.0など。SQL Serverなどについては、4月〜6月に予定している次期バーションで対応するとしている。

 同時に日本HPは、Windowsファイルサーバ向けのILMを可能にする「HP StorageWorks File Migration Agent」(FMA)も発表した。RIM for DB同様に、更新頻度の低くなったデータを透過的に安価なストレージに移行することで、ストレージ全体のコスト低減を可能にする。対応OSはWindows 2000/2003 Server、対応ファイルシステムはNTFSとなっている。

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