企業の資金調達方法の一つ「ファクタリング」とは?こんな時期だからこそ知っておきたい企業のファイナンス(2/2 ページ)

» 2006年01月30日 15時00分 公開
[第一法規]
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2.ファクタリングの分類

 企業がファクタリングした売上債権について、売上債権先が決済期日に支払不能に陥った場合、それを企業とファクタリング会社のどちらが負担するかにより、償還請求権のあるファクタリング(企業が負担する)と、償還請求権のないファクタリング(ファクタリング会社が負担する)に分類されます。

 一般的に、償還請求権のないファクタリングでは、企業がファクタリング会社に支払う手数料はその危険負担分だけ割高となります。また、債権の支払期日に売却代金が支払われる期日払方式のファクタリングもあります。さらに、企業の債権がファクタリング会社に譲渡されたことを債権先に通知するか否かで、譲渡通知のあるファクタリングと譲渡通知のないファクタリングに分類されます。

 なお、先に述べたファクタリングの会計処理はすべてのリスクが債権譲渡先に移転する場合の一例であり、上述のようなファクタリングの種類によってその会計処理は異なる場合があるので注意が必要です。

3.ファクタリング実行に当たってのコスト負担

 ファクタリングの実行に当たってのコストですが、まず、ファクタリング手数料が挙げられます。これは上述のとおり、ファクタリング会社によって提供される役務(債権の管理、回収業務など)に対する対価となる部分で、債権先の信用度合いなどによっても左右される場合があります。次に、前払方式のファクタリングにおいては、割引料が挙げられます。これは通常の受取手形の割引料と同様の考え方に基づき、債権を回収期日前に資金化するための利息と見ることができます。

ワンポイント:ファクタリング取引の実際

 譲渡会社において、債権の譲渡が取引先の信用を失うことにつながりかねないことや、通知を受けた側で、譲渡承諾印を押印する社内手続きの煩雑さがあるので、債権譲渡の通知・承諾のないファクタリングが多く採用されているようです。また、償還請求権のないファクタリングは、ファクタリング会社での信用調査の煩雑さや信用調査能力の限界があるため償還請求権のあるファクタリングが多く採用されているようです。

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