紙文書をワンクリックで電子的プロセスへ――オラクルとリコーなどが協業

紙文書が業務プロセスのIT化のネックになっている――日本オラクル、リコー、CTCの3社は、コンテンツ管理分野で協業した。デジタル複合機とコンテンツ管理ソフトの連携で、これら問題に対処する。

» 2006年02月06日 17時41分 公開
[堀哲也,ITmedia]

 日本オラクル、リコー、伊藤忠テクノサイエンス(CTC)の3社は2月6日、コンテンツ管理の分野で協業すると発表した。デジタル複合機とコンテンツ管理ソフト「Oracle Collaboration Suite 10g」(OCS)を連携させ、紙文書の電子的な管理を可能にする。e文書法対応や、今後成立されると見られる日本版SOX法対策として、コンテンツ管理インフラ整備を急ぐ企業へ売り込む。

 リコーは、デジタル複合機「imagioシリーズ」をインターネット上の文書管理プロトコルWebDAVに対応させ、OCSのクライアント端末として連携できるようにした。これにより、複合機の操作パネルからOCSで一元管理されているコンテンツに直接アクセスしてプリントアウトしたり、紙ベースの申込書や契約書をOCSの指定フォルダに直接格納できる。リコーのソリューション企画室室長の平岡昭夫氏によると、「現時の複合機は、Javaアプリケーションを搭載できる形に進化している。WebDAVクライアントを搭載することで、OCSのクライアント端末として活用できる」という。

平岡昭夫氏 リコー 販売事業本部ソリューションマーケティングセンター ソリューション企画室室長の平岡昭夫氏

 企業内で取り扱われる文書はいまだ紙ベースのものが多く、これが管理や業務プロセスの標準化という面で非効率を生んでいる。紙文書をコンテンツ管理システムへ取り込みやすくなれば、電子的な業務フローに乗せた一元管理が可能になる。

 リコーでは、帳票や業務に合わせてワンクリックでデジタル複合機からOCSへ取り込める「One Action Scan」インタフェースも提供し、PCレスで銀行のATMを操作するように必要なコンテンツへアクセスできる。「WebDAVに対応したためインターネット越しの操作も可能だ。建設現場や工場などPCのリテラシーが比較的低い従業員でも複合機であれば操作しやすい」と平岡氏。

 また、企業内の文書は、法規制や社内規定で記録保管が義務付けられていることが多いが、OCSのレコード管理機能が利用できるため、改ざん防止を行いながらの記録保管を行える。また、電子化により、監査の際に必要な文書を素早く取り出せるようになるメリットが見込めるという。

 インテグレーションや販売については、CTCが協業する。CTCは既にOCSを中心にしたコンテンツ管理の全社基盤を整備しており、これらの経験を生かす。3月初旬に開催される「Oracle Open World Tokyo 2006」を皮切りにプロモーション活動を展開し、今夏に同ソリューションパッケージとして販売を開始する。価格は1000ユーザー規模で3000万円〜4000万円程度になる予定だという。

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