コラボレーション、そのメリットとデメリットコラボレーションプラットフォームの今(1/3 ページ)

社内協業=コラボレーションをスムーズに行うには、いろいろな情報を共有するそのやり方がポイントとなる。情報と最適な伝達方法とをうまくマッチさせることが重要だが、こうした方法のメリットとデメリットを考えてみる。

» 2006年02月07日 12時30分 公開
[下村恭(ハンズシステム),ITmedia]

 社内協業=コラボレーションをうまく進めていくには、情報の共有が鍵になる。ただし、一口に情報共有の方法といっても、前回見たように紙のメモのようなアナログ的方法からグループウェアなどの電子化された方法までさまざまだ。そこで始めに考えたいのが、共有される情報にはどのようなものがあるのかということだ。

まずは情報を分類する

 まず身の回りにあふれる情報の分類をする場合、単純に分類の軸(物差し)を1つだけに絞ることができないことを理解しておこう。分かりにくいので例を挙げてみる。

 まず思い浮かぶ物差しが時間だ。共有する情報が「今だけ必要」な情報なのか、「将来にわたってずっと」共有される情報なのか、という見方だ。それも、単純に今か永久かという二者択一ではなく、1週間だけ必要な情報とか、会議が終わったら不必要な情報とか、物差し上でさまざまな値が存在する。別の言い方をすると、情報の消費期限となる。ある時点を過ぎたら情報に価値がなくなる場合もあるからだ。

 例えば為替レートは、時々刻々と変化している。リアルタイムに処理している場合は、その瞬間にしか意味のない情報となるが、為替予約などを行っている場合、1カ月間は同じレートで固定できる場合もある。また、ある処理を行った時点のレートが情報として必要であれば、永続性を持った情報として記録が必要になる。

 別の物差しに距離がある。机が隣り合っている者同士と遠く離れて働く者では、共有する情報は異なることが多い。業務効率を考慮すれば、もっと細かい単位で距離の概念が必要となる場合もある。フロアが同じか違うか、社屋が違うか同じかという見方で判断すべき場合もある。これは物理的な距離だけでなく、業務的な距離でも同じだ。営業職と技術職、経営者と一般社員など、こうした距離も情報を分類する場合の軸の一つである。

 情報の性質という分類もある。どれだけ正確かという物差しもあれば、確定か未確定かという物差しもあるだろう。見積書の金額は未確定だが、請求書の金額は確定であるという見方もできるし、上司の承認がある情報とない情報の違いというのもある。

 情報の形態という軸も考えられる。紙に書かれた情報なのか、電子化された情報なのか、音声として録音された情報なのかという見方だ。もちろん誰かの頭の中にしかない情報というのもあるだろう。

 こうしたさまざまな軸上に分散しているそれぞれの点が情報だ。こうした分類の上で動かない情報もあれば、一定の広がりをもって分布するものもあるだろう。発信点と受信点が一対一の場合もあれば、一対多、多対多の場合もあるだろう。

 こうした情報の分類ができて初めて、情報共有におけるメリットとデメリットを認識できるようになる。そこでここからは、情報の伝達方法ごとに考えていこう。

伝達方法ごとのメリットとデメリット

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