2009年までに世界のBIソフトウェア市場規模は年率7.3%で成長、30億ドルに達するとGartnerは予測する。CIOらも最も優先的に取り組むべき技術としてBIをとらえており、今年の予算も増額されている。
Gartnerが最近とりまとめた市場予測によると、BIソフトウェアの新規ライセンス売り上げは堅調に推移し、2009年には世界全体で30億ドル規模に達するという。2月上旬、ロンドンで開催中の「Business Intelligence Summit」で明らかにされたもの。Gartnerでは、先進的な企業や組織では、BIをビジネス革新や成長のための駆動要因としてみているとしている。
なお、2006年は昨年比6%増の25億ドルと予測されている。
「企業はこの数年、ERP、CRM、人事管理といったエンタープライズアプリケーションに400億ドル以上を費やしており、膨大なデータがそこから生み出されている。BIへの投資によって、企業はこうしたエンタープライズアプリケーションへの投資を生かして、業績を改善したり、市場の変化や機会に即応したり、ますます複雑化する規制に適合したりするための洞察力を得ることができる」と話すのは、Gartnerのプリンシパルリサーチアナリスト、コリーン・グラハム氏。
Gartnerではそうした一方、BIの導入や採用の成功を阻害する要因が存在することも指摘している。BIのスキルや能力が十分ではなかったり、TCOが高くつくとされていることや、直接的なビジネス上のメリットを定量化することが難しいといったことが、採用を阻害しているという。
ただ、Gartnerが1400人のCIOを対象に行った調査によれば、BIは2006年に取り組むべき、最も優先度の高い技術だといい、実際、BI向けの予算も2006年は平均で4.8%増額されるという。
「すべての企業が情報を管理する必要に迫られており、BIは組織が事業を遂行ためのライセンスともなっている。まだ、戦略的に欠かせないもの、事業計画に欠かせないものにはなっていないものの、将来、BIはビジネス革新の一部になるだろう。顧客、サプライヤーらとの情報共有は彼らの忠誠心を高め、さまざまな業界で競合優位をもたらすからだ」と話すのは、今回のカンファレンスの責任者であり、Gartnerのリサーチバイスプレジデント、フランク・バイテンダイク氏。
Gartnerでは、2004年から2009年のBIソフトウェア市場を予測する中で、地域的な差があることも指摘している。この5年間、世界のBI市場規模は年率7.3%で成長するとしているが、南米やアジア太平洋地域の新興市場ではこれを大きく上回る11.3%から13.6%で成長するとみている。一方、北米、西欧、日本では6.4%から6.9%と平均を少し下回るだろうとしている。
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