「コールセンターは電話で受け付ける顧客窓口一般のこと。サポセンは、主に製品などの取り扱いを説明するサポート業務専従の窓口。だから、受注や営業などの業務は担当しないの。ヘルプデスクと呼ぶ場合もあるよ。そして、コンタクトセンター、あ、これ業界では“CC”っていうんだけど、そのCCは、コールセンターをITシステムで進化させたものなんだ」
なるほど、業界くんは続ける。
「進化の目安は今のところ2つ。1つは、“マルチチャンネル”といって、電話だけでなく、Webや電子メールなど異なるメディアからのアクセスも受け入れられるかどうか。もう1つは、“データ連携”といって、CC部門で処理されるデータと営業や製造部門などが使うデータとの間で連携が取れるようになっているかどうか、だね」と、図を描きながらスラスラ説明してくれる。さすが業界人である(図1)。
さらに、こちらが聞きもしないウンチクを業界くんは披露する。
「日本の場合、1985年末にNTTが“フリーダイヤル”サービスを提供しているけど、コールセンターという設備というか、業務や組織が普及し始めたのは1997年の“ナンバーディスプレイ”サービスが始まってからと見ていいね」
さて、その心は。
「誰からの着信かがすぐ分かる。オペレーター、いやCC時代には“エージェント(対応要員)”とか“コミュニケーター”というんだけど、とにかくその手元にあるPCの顧客データベースと連動させれば、スマートで高度な対応ができる。こういう具合に、コンピュータと電話(テレフォニー)の統合/連携を図ることを、CTI(Computer Telephony Integration)というんだ……」
まだまだ、話は続きそうだが、今回は、「この10年間でコールセンターがコンタクトセンターへと進化した」と理解しただけで満腹だ。ウンチク好きな業界くんに手を焼きつつ、次回のレポートに続く。
注:*1 (社)日本通信販売協会2004年度の売上高調査結果と、調査会社の富士経済の予測レポートから。
*2 ミック経済研究所および「コールセンター白書2005」(リックテレコム)。ただし、顧客対応するオペレータ人員数を33万人と推計し、その諸経費の掛け算で「3兆7000億円」とはじき出している値もあるが、乱暴で大きすぎる推計だ。
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