グループウェアは最強の情報活用ツールゼロから始める中小企業IT化への道(2/2 ページ)

» 2006年02月17日 09時00分 公開
[伊嶋謙二,ITmedia]
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旺盛なグループウェアの導入意欲

 このようにグループウェアは、中小企業のビジネスにとって非常に魅力的なパッケージと言えるのだが、実際、中小企業はグループウェアの導入について、どのように考えているのだろうか(図2)。

図2 「ITアプリケーションの導入実態、利用意向調査」より

 2005年にノークリサーチが行った「ITアプリケーションの導入実態、利用意向調査」の中で、今後導入を予定しているパッケージの第1位にグループウェアが挙がった。その数も71.2%とダントツの結果だ。2位のERP(Enterprise Resource Planning:統合基幹業務システム)や3位のリレーショナルデータベース(RDB)などのアプリケーションの数字と比べると、その差は歴然で、グループウェアに対する期待の大きさをうかがうことができる。

 グループウェアの導入は中小企業にとっても敷居が低く、利用するために何か特別なスキルが必要とされるものではない。しかし、社員が日々の情報を確実かつ着実に入力し、独自のデータベースを構築しなければ、グループウェアが持つ本来の機能を生かすことができない。最も難しいのは、この「いかに活用するか」という点にある。

 経営者やIT担当は、グループウェアの活用を社員に徹底させる必要がある。勤怠や各種申請などの業務処理のほか、特に営業マンには営業から帰社した際の営業報告情報をグループウェアのデータベースに入力させることを義務づけるなど、「しばり」を設ける必要があるだろう。社員は慣れてしまった仕事のスタイルを変えようとしないものだ。「グループウェアは便利だから活用するだろう」と漫然とした考えで、導入しても本来の効果は引き出せない。

セキュリティと裏腹になる情報の共有

 現在グループウェアを導入していない中小企業の約70%が今後の導入を検討していると答えている。このことから、今後もよりいっそう中小企業に広まっていくと考えられる。導入を検討している読者には、前に述べたように単に導入するだけでなく、社員が積極的に情報を蓄積してもらい、導入の効果を高める施策を同時に考えてほしい。

 また、グループウェアを導入することで、共有する社内情報や顧客情報は必然的に増える。そのため、情報漏えいや外部からの不正アクセスなどの脅威から情報を守るという考えを持つことも、これまで以上に重要になってくる。グループウェアを導入する際には、よりシビアなセキュリティ対策も行うべきである。

 次回はグループウェアとともに、注目度合いの高いセキュリティについて解説しよう。

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