仮想化で開発用環境構築が不要に、ネットワールド

ネットワールドは、サーバ仮想化に関するソフトウェア「PlateSpin PowerRecon 2.0」と「Akimbi Slingshot」の販売を開始する。

» 2006年02月21日 21時57分 公開
[長谷川玲奈,@IT]

 ネットワールドは2月21日、サーバ仮想化に関するソフトウェア2製品を日本国内で販売開始すると発表した。新製品はカナダPlateSpinの「PlateSpin PowerRecon 2.0」と米Akimbi Systemsの「Akimbi Slingshot」。

 ネットワールドの常務取締役マーケティング本部長、森田晶一氏は新製品販売開始の背景について、「(仮想化技術を利用した)データセンターの統合・最適化・自動化の分野はこの2、3年で大きく伸びるだろう。われわれは一歩先んじて注力している」とし、「仮想化インフラの上での最適化に取り組んでいる2社の製品を日本市場に投入する」と語った。

森田氏 ネットワールドの常務取締役マーケティング本部長、森田晶一氏

 PlateSpin PowerRecon 2.0は既存のサーバ群のリソース使用状況をチェックするツール。各サーバのCPU、ネットワーク、ディスク、メモリの使用状況をリモートでチェックできる。サーバへのエージェントのインストールは不要。測定結果をリアルタイムに表示またはデータベースに蓄積して分析することで、仮想化によるサーバ統合、システムの移行の際のキャパシティプランニングに役立つという。

 ネットワールドは物理サーバと仮想サーバ間のOS、アプリケーション、データの移行を自動化するツール「PlateSpin PowerConvert」を2003年12月から提供しており、PowerRecon 2.0と組み合わせてデータセンター最適化のソリューションとして提供する。

 旧バージョンのPowerRecon 1.0の価格は38万4300円からだが、PowerRecon 2.0の価格は未定。ネットワールドによるとPlateSpinからライセンス体系を変更するかもしれないとの情報が入ってきており、価格も大きく変わる可能性があるという。販売開始は2006年3月下旬の予定。

 Akimbi Slingshotはアプリケーション開発・テスト用環境を複数の仮想サーバ上に構築し、一元管理する「バーチャル・ラボ・オートメーション」ツール。個別のサーバ環境の構築が不要になり、開発者・テスト技術者は遠隔地からWebブラウザ経由でアクセスして開発作業などを行うことができる。

 Akimbi Systemsのバイスプレジデント、レザ・マレクザデー氏は「(開発者の)時間の節約になり、非常に投資利益を上げられる製品」と説明した。Akimbi Slingshotの価格は312万9000円からで、本日から販売を開始する。

 森田氏は「サーバの仮想化はなくてはならないもの」としたうえで、米VMwareがサーバ仮想化ソフトウェア「VMware Server」の無償提供を発表したことに言及。PlateSpinやAkimbiの製品が仮想化の普及にさらに拍車をかけるだろうとの見通しを示した。

 2006年度の売り上げ目標は、PlateSpin製品が1億3000万円、Akimbi製品が6000万円。

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