「ILMでユニークなポジションにいる」とHPストレージソフトウェア担当GMHP StorageWorks.06 Report

HPはILMへの積極的な取り組みをアピールしている1社。システムベンダーとして幅広い製品とサービスを組み合わせたバランスを武器に顧客のILM戦略を支援する、とストレージソフトウェア担当GMのハービスト氏は話す。

» 2006年02月22日 08時27分 公開
[堀哲也,ITmedia]

 「ストレージ分野におけるソリューションに終わらないのがHPの強みだ」――米Hewlett-Packard(HP)のストレージソフトウェア担当副社長兼ゼネラルマネジャーでILM(情報ライフサイクル管理)戦略を指揮するフランク・ハービスト氏は、ストレージベンダーがこぞって提唱するILMにおけるHPの優位性を主張した。

 ILMは今、ストレージベンダーが最も力を入れるホットな分野。HPも積極的な取り組みをアピールしている1社だ。階層化されたストレージハードウェア・ポートフォリオを幅広く備え、情報の価値に応じ格納するストレージシステムを最適化する機能をソフトウェアで提供するという考え方は各社とも共通しており、違いが見えにくくなっている。

フランク・ハービスト氏 HPストレージソフトウェア担当副社長兼ゼネラルマネジャーのフランク・ハービスト氏

 「もはやデータの増加に対しストレージを最適化し、コスト削減を図るというのは、トラディショナルなILMへのニーズに過ぎない。企業にとって重要性を高めているのは、情報をコントロールしたいというビジネスの要求にある」とハービスト氏。

 ILMはデータの増加に対するストレージインフラに掛かるコストの削減を可能にする手段としても有効となるが、ILMは特に情報というスキームにフォーカスしている。そのため、ITインフラの課題としてよりもビジネスのニーズがその駆動要因になっているという。特に、SOX法(米企業改革法)に代表されるコンプライアンス(法令順守)対応がILMの重要性を加速させていると指摘した。

 これらの課題に対し、ストレージ、ソフトウェア、サーバ、サービスまでを含めたトータルソリューションとして、企業のILM戦略を支援できるというのがHPの大きな強みだ。多くのベンダーが対象としている情報の「移行」や「維持」といったストレージセントリックなソリューションとしての側面だけでなく、HPが得意とするイメージング・プリンティング技術による情報の電子化フェーズ、データパーソナルデバイスまでを含めた配信先まで対応することができるという。

 ストレージ専業ベンダーではサポートしきれないアプリケーション領域での実績もある。今年2月のデータベース(DB)アーカイブの米Outerbayなどの買収は、これを示す代表的な例だとした(関連記事)。Outerbayの技術は、Oracle、SQL ServerなどのDB上の情報をアーカイビングすることにより、コンプライアンス対応やDBデータの増大を防ぎ、パフォーマンスの劣化を妨げるという。

 「ILMは単なるインフラの課題ではなく、業務プロセスやポリシーも関連してくる。これらすべての問題を解決するには、ストレージ、ソフトウェア、サーバ、サービスのすべてに健全なバランスが必要だ。そういう意味で、HPはユニークなポジションにいる」(ハービスト氏)。

 また、HPでは、日本においてILMはまだ立ち上がりつつある新しい市場と認識。ワールドワイドでのベストプラクティスを活用しながら、地域を越えたチームが連携して、顧客をサポートする体制にあるという。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ