着実に進むMSの小売業向けソフトウェア戦略

クレジットカード情報の保護機能やパフォーマンスを強化した「Retail Management System」の最新バージョン1.3がリリースされている。また、カシオやHewlett-Packardなど数社のOEMと提携し、「Microsoft Point of Sale(POS)」を搭載したハードウェアの提供も開始した。

» 2006年02月24日 07時00分 公開
[Paul DeGroot,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版

 Retail Management System(RMS)の最新バージョン1.3がリリースされた。RMSは小売トランザクション処理や在庫管理など複数の店舗を持つ小売企業向けの業務支援製品である。今回のリリースではクレジットカードのセキュリティおよび本社向けリポート機能が強化されている。また、Microsoftはハードウェアメーカーと提携し、小規模小売業者向けの関連製品Microsoft Point of SaleをプリインストールしたPOSソリューションの提供を開始した。

Retail Management System 1.3をリリース

 Microsoft Retail Management System(RMS)1.3には、以下の機能強化が施されている。

  • クレジットカード番号の隠蔽が可能になり、トランザクションレコードとの保存や領収証上への印刷を防止できるようになった。
  • 通常の処理の一環として定期的に作成される本社向けリポートをより容易に削除できるようになった。メモリの利用効率の向上や起動時間の短縮を図ることができる。
  • 決済業者との決済の完了後に、クレジットカードの取引情報を自動的に削除できるようになった。
  • 在庫モジュールが機能強化され、ポータブル機器から在庫数の確認や予想される需要との比較を行えるようになった。
  • RMS HeadquartersモジュールおよびStore Operationsモジュール間のデータベース接続が改良され、より効率的にメモリを開放できるほか、ダウンタイムを削減できるようになった。

 同製品は、Store Operationsモジュールの場合1レーンあたり890〜1,190ドルで販売される。複数の店舗の管理に使用するHeadquartersモジュールの価格は、2店舗対応の最小構成で約3,000ドルからとなっており、1店舗追加するごとに500ドルずつ加算される。

 販売はMicrosoftのパートナーを通じて行い、パートナー各社は購入およびインストールのサポートを提供する。購入価格には1年間の技術サポートが含まれるほか、購入から1年以内にアップグレード版がリリースされた場合は、追加料金なしで入手できる。RMS 1.3へのアップグレードは、サポート契約を保有しているユーザーには無償で提供される見込みである。

POSソフトウェア搭載機器が登場

 そのほか、ハードウェアメーカーと提携し、主に単独店舗を対象としている販売時点管理システムソフトウェアMicrosoft Point of Sale(POS)を搭載した機器の提供が開始された。

 具体的には、カシオが同社のタッチスクリーンシステムに、Hewlett-PackardがPOS端末のrp5000に同ソフトウェアを搭載して提供する。またDigiPosは、周辺機器に電源を別途用意する必要がない、給電が可能なシリアルポートを備えた省スペースシステムにバンドルする。

 これらのシステムはパートナーを通じて販売され、価格は3,000ドル以下になる見込みだ。

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