JBoss、自社のパートナー企業を買収

JBossは、ドイツで同社のサポートおよびサービスを提供しているパートナー企業、objectoneを買収した。

» 2006年02月24日 16時59分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 自身も買収の対象となっていると噂されるJBossが、同社の重要なシステムインテグレーションおよびサービスパートナーであるドイツのobjectoneを取得したと発表した。

 ジョージア州アトランタに本拠を置くJBossは米国時間2月23日、ベルリンのobjectoneを買収したことを明らかにした。objectoneは、JBossの「Certified Systems Integrator」および「Authorized Service Partner」の中では最も成功しているドイツの企業で、同国内で「JBoss Subscription」やJBossのサポートおよびサービスを企業に対して再販している。

 JBossの関係者によると、objectoneの業務と同社の全顧客および大半の従業員は、2006年3月1日から、新たに設立されたJBossドイツが管轄することになるという。

 objectoneは、同社の創立者であるトビアス・ハートウィグ氏がJBossドイツの代表取締役として残留することを明らかにしている。

 JBossの創立者兼CEOであるマーク・フルーリ氏は声明の中で、「objectoneは、ドイツで『Professional Open Source』を普及させることに非常に大きく貢献した。近年では、『JBoss Subscription』の契約数を飛躍的に伸ばしている」と述べた。

 「われわれは、トビアス・ハートウィグ氏とそのチームが当社に加わり、ドイツにおけるJBossのビジネスをともに進化させていけるようになったことを歓迎している」(フルーリ氏)

 一方、objectoneの創立者であり、JBossドイツの代表取締役に就任したハートウィグ氏は、「ドイツ国内のさまざまな企業が、ミッションクリティカルなアプリケーションで、『JBoss Enterprise Middleware Suite』の高パフォーマンスおよびスケーラビリティを活用することに大きな関心を寄せ始めている」との声明を発表した。

 「多くの企業にとって、サービスパートナーとの関係は、信頼があって初めて成立するものとなっている。提携契約を結ぶ際には、現地語のトレーニングおよびサポートや、各地域の産業に関する専門知識に加え、国内法の確実な順守といった事柄が必要になる」(ハートウィグ氏)

 ハートウィグ氏はさらに、「JBossの一部となった今、ドイツ全域に及ぶ企業の見識に富むパートナーという当社のこれまで立場を、今後も強化していきたいと考えている。また、JBoss独自のリソースとの強い結びつきを活用して、顧客に利益をもたらそうと決意している」と述べた。

 今回の買収によって、JBossが多少の失敗を犯すとともに成功を収めた市場における、同社の存在感は高まるだろう。

 2005年10月には、以前JBossで開発者として働いていた人物が、あるドイツ企業との契約をたてに「独占的な商行為」を行っているとして、同社を非難している。

JBossの関係者は、この件を言下に否定した。

 また、JBossはOracleの買収の標的となっているという噂が飛び交っている。Oracleは、3億ドル以上とも言われる額でJBossを取得したいと考えているという。

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