OOW Tokyo開幕、「フュージョン効果」で日本企業の業務プロセス改善も進むとOracle幹部Oracle OpenWorld Tokyo 2006 Report(2/2 ページ)

» 2006年03月02日 01時31分 公開
[浅井英二,ITmedia]
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最高のサービス、セキュリティ、そしてTCO削減

 クリアン氏に続いてステージに上がったメンデルソン上級副社長は、かつて「Oracle Database 10gは過去最大のアップグレード」と胸を張ったデータベースの責任者だ。彼は、既存顧客の35%がすでに10gに移行していることを指摘し、顧客やメディアでの高い評価を紹介することからキーノートを始めた。

Oracle Database 10gの戦略を語るメンデルソン氏

 Oracle Database 10gのデザインゴールは、最高のサービス品質と強固なセキュリティ機能をローコストで提供することだったという。

 「TCOを50%引き下げるという非常に高いゴールだった。そこに到達するためにわれわれは考え方を根底から変えなければならなかった」とメンデルソン氏は振り返る。生まれたのは、アプリケーションごとに専用のサーバを構築することの非効率さに着目し、資源をプール化するグリッドコンピューティングの考え方だった。

 グリッド環境でストレージ資源の共有をより容易にしてくれる「Automatic Storage Management」(ASM)もOracle Database 10gから提供されている。メンデルソン氏によると、およそ半数の10gユーザーがこのASMを利用しているという。

 また、Oracleが現行のOracle Database 10g Release 2を発表した2004年12月のOracle OpenWorld San Franciscoで、メンデルソン氏自身が、「最も重要な機能」と紹介したのが、「Transparent Data Encryption」だ。アプリケーションに一切の変更を加えることなく、透過的にデータを暗号化してストレージに格納するもので、企業が個人情報を保護したり、SOX法のような法規制を遵守するのを支援するという。

 「Oracle Database 10gは、最小のコストで最高のデータ保護を提供する」とメンデルソン氏。将来の製品では、Transparent Data Encryptionの機能と統合された、セキュアなテープバックアップソリューション、「Oracle Secure Backup」も用意されている。

 さらにOracleでは、プロジェクト「Data Vault」やプロジェクト「Audit Vault」の開発が進められており、将来の製品に搭載されてくるという。

 「Vault」は金庫室の意味がある。Data Vaultは、アプリケーションデータへのデータベース管理者のアクセスを無効化するソリューションで、一方のAudit Vaultは、改ざんされないよう、監査データ専用のデータウェアハウスを構築するものだ。

 なお、2日目のOracle OpenWorld Tokyo 2006には、いよいよラリー・エリソンCEOが登場し、「Oracle Secure Enterprise Search」を発表する。

 この検索エンジンは、2004年12月のOracle OpenWorld San Franciscoでスニークプレビューされ、キーノートで電子メールなどを含めた多様なデータの中から通常であれば埋もれてしまう情報を探し出すデモも行われていた。企業内に導入することを前提としているため、ユーザー認証機能と連携し、閲覧が許可されているデータしか検索結果に表示されることはないという。

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