MS OpenXML vs. OpenDocument――本当の選択の自由はどちらに?次世代オフィスドキュメントの行方(1/2 ページ)

次世代オフィスドキュメント規格は「Office 2007」の行方を左右させるだろう。MicrosoftはODF Allianceに厳しい発言を繰り返している。対するODF陣営も怯んではいない。

» 2006年03月09日 10時58分 公開
[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK

 「OpenXML」フォーマットを推進するMicrosoftと「OpenDocument」陣営の戦いが激化している。Microsoftは、新たに設立された「OpenDocument Format(ODF) Alliance」を攻撃したことでODFサイドも厳しく反論した。

 Microsoftは今回の件に関し、自社がこれまで批判されてきた事柄とまったく同じ点を挙げており、複数の競合を糾弾している。同社は排他的な標準を押しつけることでほかのすべての存在に損害を及ぼし、選択の自由を奪っていると言及しているのだ。

 Microsoftがこのような厳しい言葉を口にしたのは、ODF Allianceが結成された先週のことである。ODF Allianceは、各国の政府が自らのドキュメントを直接管理することを目的とし、より適切な制御ができるよう世界中で35の組織が参加しているものだ。

 参加メンバーには、Microsoftの競合でLinux及びオープンソースソフトウェアを扱うCorelを始めIBM、Novell、OpenOffice.org、Opera Software、Oracle、Red Hat、Sun Microsystemsなどが名を連ねている。同連盟の基本的な姿勢は単純であり、XMLベースのODFがOpenXMLの代替となるというものだ。OpenXMLはMicrosoftの新たなファイルフォーマットであり、2006年後半にリリース予定の「Office 2007」に採用される。

 ワシントン州レドモンドに本拠を置くMicrosoftで、Information Workerビジネス戦略部門のゼネラルマネージャーを務めるアラン・イェーツ氏は今週、同氏が「SunとIBMとその仲間」と呼ぶ同連盟に対し次のように訴えた。

 「ODFを排他的な標準として他者に押しつけ、AdobeのPDFやMicrosoftのOpenXML、HTMLなどの中から任意のものを選択できる自由を制限しようとしている」(イェーツ氏)

 さらに、「技術の選択肢が少なくなることよりも、自由と競争が確立されていることのほうが好ましいのは明らかだ。今回の混乱では、現時点までに市場に影響力のないOpenOffice.orgを普及させようとする、IBMとSunの意図が原因の一端になっている」(イェーツ氏)

 イェーツ氏はまた、ドキュメントをXMLを用いて情報システムに統合する方法は重要であり、長期に渡る話し合いが必要だとコメントしている。「競争が存在し、消費者がオープンなXMLベースドキュメントの新時代を享受できるのは、すばらしいことだ」(イェーツ氏)

 Sunのオープンソース担当取締役であるサイモン・フィップス氏もまた、選択の自由と競争は確かに好ましいと同意を示している(関連記事)。だからこそ成熟した製品分野には標準が存在しており、ベンダーが互換性を犠牲とする基準を掲げるのではなく、一定のベースライン上で競争できるようになると、フィップス氏はeWEEKへ次のように語った。

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