Exchange部門が新設のIM/音声通話グループと統合、MSの組織再編を分析(2/3 ページ)

» 2006年04月05日 07時00分 公開
[Rob Helm,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版

Kim Daly氏
 Daly氏はGordon氏の後任としてグローバルアカウント担当副社長に就任し、世界の大規模な多国籍企業約50社へのMicrosoft製品/サービスの販売を統括する。Daly氏にはこれまで、MicrosoftのOEMオペレーショングループでの経験のほか、EMEA(欧州、中東およびアフリカ地域)でのテレコム関連の販売の経験がある。

Scott Di Valerio氏
 Di Valerio氏はOEM販売&マーケティング担当副社長に就任し、前任のRodrigo Costa氏はMicrosoftを退職した。Di Valerio氏の最大の課題となるのは、今年リリース予定の次世代クライアントOS、Windows Vistaを搭載したコンピュータの開発をPCメーカー各社に促し、またコンシューマーセグメントにおけるPC1台当たりの売上高を強化することだ。Di Valerio氏は既に投資家の間では、Microsoftの最高会計責任者および四半期決算の報告記者会見における広報担当者としてよく知られている。この役割を今後誰が引き継ぐかはまだ発表されていない。

販売およびマーケティング事業部のそのほかの変更

 フィールドセールス分野でのそのほかの主な変更点は以下のとおり。

Pierre Liautaud氏
 西ヨーロッパ担当副社長に任命されたLiautaud氏は今後、英国、フランス、ドイツを除く西ヨーロッパ地域のMicrosoft支社を統括する。Liautaud氏に代わり、EMEA地域のエンタープライズ&パートナーグループ(EPG)担当副社長を引き継ぐのはNiels Soelberg氏。Soelberg氏はこれまで、中南ヨーロッパ地域のEPG担当上級ディレクターと北ヨーロッパ地域担当の地域サービスディレクターを兼任していた。

Phil Sorgen氏
 Sorgen氏はMicrosoftカナダ支社の社長に就任。同氏はこれまで米国でエンタープライズ販売業務担当のジェネラルマネジャーを務めていた。Sorgen氏の前任であるDavid Hemler氏の新しい職務はまだ発表されていない。

Hernan Rincon氏
 Rincon氏はEPGラテンアメリカの地域ディレクターから副社長に昇進した。

 役割分化された各販売&マーケティング部門の主な変更点は以下のとおり。

Joanne Bradford氏 Bradford氏はMSN米国販売担当副社長からMSNグローバル販売&マーケティング担当副社長に昇進した。同氏の職務には、Xbox LiveとInternet Protocol TV(IPTV)のほか、新しいオンラインサービスであるWindows LiveとOffice Liveの広告販売の統括が含まれる。前任のJane Boulware氏は、Microsoftの全社的なマーケティングとブランディングを統括するセントラルマーケティング部門の副社長兼主任スタッフに就任した。

Kimberly Till氏
 ワールドワイドメディア&エンターテインメント担当副社長を務めていたTill氏はMicrosoftを退職した。同氏は大手のメディア/エンターテインメント企業向けの販売を統括していたが、この職務はおそらく、最近、組織再編されたエンターテインメント&デバイス部門の担当副社長Blair Westlake氏に引き継がれる。

Kurt Kolb氏
 システムビルダー担当ジェネラルマネジャーを務めていたKolb氏は、システムビルダー&ライセンスコンプライアンス担当副社長に昇進した。Kolb氏は今後も小規模PCベンダーとの関係の指揮に当たる。この職務は、OEM販売&マーケティング部門(COOのTurner氏が率いる販売&オペレーション部門の配下)とは全く異なる部門(Jeff Raikes氏が率いるビジネス部門)に属している。

製品グループ:ExchangeはIM/音声通話と統合

 製品グループで最も特筆すべき変更点は、電子メール/コラボレーション製品の開発を担当するExchange部門が新設のユニファイドコミュニケーショングループ(UCG)に統合された点だ。UCGには、インスタントメッセージング(IM)/プレゼンスプラットフォームLive Communications Serverの開発を担当するリアルタイムコラボレーション(RTC)部門も統合されている。

Anoop Gupta氏
 UCGの副社長に就任したGupta氏は今後、Microsoftの企業向け電子メール/音声/IM製品すべてを統括する。音声メールなど、Exchange向けの各種音声機能の開発はこれまで、Live Communications Serverに音声/テレフォニ機能を追加するRTCグループの取り組みとは別個に進められていた。さらに、今回の組織再編により、Exchange対応のクライアントとして最も広く使われているOutlookと同じ部門にExchangeが置かれることになったため、今後、この両製品の戦略的な計画は簡略化されるものと期待できる。

Dave Thompson氏
 Exchange担当副社長のThompson氏は今後、Windows Server System担当上級副社長のPaul Flessner氏ではなく、Gupta氏の直属となる。

製品グループのそのほかの変更

 Microsoftは2005年9月の組織再編で結成した3つの主要事業部門に、それぞれ新たに最高財務責任者(CFO)を任命した。部門別CFOはそれぞれ、3つの主要事業部門のいずれか1つに対して財務報告と経営管理の責任を負う。これらの事業部門には、Windowsクライアント、インフォメーションワーカー、サーバ&ツール、ホーム&エンターテインメント、MSN、ビジネスソリューション、モバイル&組み込みデバイスなど、Microsoftが公式に発表しているビジネスセグメントが含まれる。

 部門別CFOのラインナップは以下のとおり。

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