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» 2006年04月05日 20時41分 UPDATE

APC Japan、ラック列の中に導入できる水冷式冷却装置

エーピーシージャパンは4月5日、データセンターやサーバルーム向けに、ラック列の中に配置できる新しい水冷式冷却システム「InfraStruXure InRow RC」を発表した。

[高橋睦美,ITmedia]

 エーピーシージャパン(APC Japan)は4月5日、データセンターやサーバルーム向けの新しい冷却システム「InfraStruXure InRow RC」(InRow RC)を発表した。空調でフロア全体を冷やす従来の形式に代わる、ラック単位で設置できる水冷式の冷却装置で、より少ないコストで効率的に冷却を行えるという。

 InRow RCは、幅30センチの薄型ラックの形をした冷却装置。サーバなどの機器からの排気を背面から吸入し、熱交換器を通して冷却処理を行い、冷風をフロア内に戻す。冷却水を分配する「InfraStruXure Cooling Distribution Unit」(CDU)を組み合わせれば、最大12台までの拡張が可能だ。InRow RCとCDUの間は、継ぎ目のないシームレス配管で接続される。

apc_inrow.jpg

 APC Japanの事業戦略本部新規事業開発部担当部長、佐志田伸夫氏によると、ラック当たりの発熱量は年々増加する傾向にあるという。

 「これまでは1ラック当たり1キロワットほどだったのが、今では4〜6キロワット、場合によっては10〜20キロワットにまで達するようになった。というのも、ブレードサーバなどが登場し、サーバの収納密度が向上しているから」(同氏)。このため、従来のようにエアコンでフロア全体を冷やす方式では冷却が間に合わない。

 また、エアコンではフロア全体の温度を下げることはできても、風の流れや場所によっては「ホットスポット」と呼ばれる、熱がたまるポイントが生じてしまうという。

 米APCのクーリングソリューション担当ジェネラルマネジャー、ロバート・ハナ氏は、「冷却ソリューションは最も予測しにくい分野だった。風の流れは不確実な上、収納密度の向上にともない廃熱はますます増加し、しかも排熱量は状況によって大きく変動する。同じRAIDでも求められる処理量によって発熱量が異なるため、事前の設計どおりにいくことはなかなかない」と述べた。

ハナ氏 米APCのクーリングソリューション担当ジェネラルマネジャー、ロバート・ハナ氏

 これに対しInRow RCは「いかに冷やすかではなく、どう廃熱するかに目を向けた製品。ラックの列の中に装置を入れることで、設計どおりになる点がメリット」(ハナ氏)。1台で最大30キロワットの発熱に対応できるという。

 さらに、本体前面の冷却ファンはホットスワップ対応で、本体を停止することなく交換を行えるようにして冗長性を確保。同じく本体前面のLCDディスプレイによって温度設定や風量などを設定できるほか、同社の管理専用アプライアンスサーバ「InfraStruXure Manager」によってネットワーク経由でリモート管理を行うことも可能だ。

 ハナ氏はInRow RCによって「予測可能かつ一貫した冷却システムを実現できる。この結果、過剰なエアコンを廃してTCOの改善を図れるほか、熱のこもった場所にInRow RCを動的に設置することでサービスレベルの向上が図れる。さらに、耐障害性を高め、システム全体が落ちるというリスクを抑えることができる」とした。

 InRow RCの本体価格は約100万円。配管などのシステムは環境や設備によって異なるため個別見積もりとなり、6月より出荷を開始する。なお米国では2月のリリース以来、すでに130台を超える出荷があるという。

 APC Japanは同時に、冷却効率を高めるためのダクトシステムキャビネット「Rack Air Containment System」や、ラック取り付け型のファン「Air Distribution Unit」「Air Removal Unit」も発表している。

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