7分で分かる3月のブログ界(4/8 ページ)

» 2006年04月10日 18時16分 公開
[森川拓男,ITmedia]

 サイバーエージェントのブログサービス「アメーバブログ」は3月9日、トラックバックスパム対策の一環として、ユーザーのブログで生成されるRSSファイル(rss.html)の「トラックバックURL」記述部分の削除を実施。「トラックバックスパム対策報告」で報告した(関連記事)。これまでは、RSSにトラックバックURLも記述されていたために、スパム送信に悪用される可能性があるためだろうか。トラックバックは、やはり、実際の記事に対して行うべきであり、RSSから直に行えた状態というのがイレギュラーなのだろうか。

 また、主として日本語のスパム行為対策の一環として、規約変更を行うケースがあった。3月10日に「Seesaaブログ」が行ったものであり、禁止事項に「広告または記事を大量に生成することを目的としたツールを使用する行為」を追加、アダルトサイトなどへの誘導を目的にしたスパム行為を規約上禁じている(関連記事)。これは、Seesaaブログのユーザーに対して適用されるものだが、ブログサービスからスパムを出さないという締めつけになっている。

 スパムを受信するという状況は、逆に発信する任意のブログがあることを意味し、スパム行為を禁じる条項によって、スパム発信源の特定をさらに高いレベルで取り締まれるだろう。どこまで有効なのかは今後の動向を調べないと分からないが、ブログサービスを提供する各社は利用規約を見直しており、スパム発信側にならない対処が急務となりつつある。

実験スペースが相次ぐ公開

 前述したトラブルでは、新規開発した機能などがうまく動作しない、新機能のために高負荷になるなどといったケースも見られる。3月には、開発中の機能を公開する実験スペースのオープンが目立った。

 まずアルプス社は3月1日、新しい地図サービスをβ公開する実験サイト「ALPSLAB」(アルプスラボ)を正式オープンさせた(関連記事)。次いでNECのBIGLOBEは3月17日に、ウェブリシリーズの実験スペース「ウェブリラボ」を公開している(関連記事)

 これらのスペースでは、新機能を正式版として公開する前にユーザーに使ってもらい、その意見などを正式版へと反映させていくという。

 もちろん、わざわざ実験スペースを設置せずに、β版として公開すればいいのでは? という意見もある。

 例えばエヌ・シー・ジャパンは、総合ゲーム&コミュニティーサイト「PlayNC」の拡充として、ブログサービス「PlayNC Blog」をオープンβテスト版として3月15日正午より提供開始した(関連記事)。PlayNC Blogは、PlayNCへの無料会員登録を行うことで利用が可能。すでにPlayNCユーザーの場合には、利用中のアカウントとパスワードで併用することができる。

 また、ライブドアは3月20日、ブログなどで流行のキーワードを集めた「livedoor キーワード」のβ版を公開している(関連記事)

 これらはあくまでもβ版として一般公開しているもので、実験スペースでの公開ではない。これまでも、このようにβ版としてサービスを提供しているものは幾つもあり、逆に「実験スペース」として公開するケースの方が少ないだろう。

 しかし、普通の機能と同じにβ版を公開するのと、実験スペースを設けてその中でβ公開するのとでは、安心感に違いが出る(もちろん「β」だからといえ、サービスダウンはイメージダウンへとつながるが)。実験スペースと称することで、トラブルの範囲を限定したいという気持ちの表れだろう。

 次に挙げるのは、ブログとSNSの協調傾向だ。

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