Oracle運用プラットフォームの主役の座を狙うLinux(2/2 ページ)

» 2006年04月11日 20時30分 公開
[Lisa Vaas,eWEEK]
eWEEK
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 最近、Linuxに移行したことに満足しているもう1つのOracle利用企業が、カリフォルニア州グレンデールに本社を構える3nである。同社は、電話、電子メール、BlackBerry、インスタントメッセージングなど各種の手段によって多数の人々にブロードキャストを行う集団通知システムのプロバイダーである。3nは1月、「Oracle Database 10g」「Oracle RAC」「Oracle Application Server 10g」にアップグレードした。これらはすべて、Red Hat Linux上で動作する。「選択に迷うことはなかった」と同社のキム・テリーCIO(最高情報責任者)は話す。同OSの信頼性と費用対効果が魅力だったからである。

 「何種類かのプラットフォーム上でOracleを運用した経験があるが、Red Hatほど安定性の高いシステムは見たことがない。わたしが以前勤務していた会社では、Sunのサーバ上で運用していた。Sunのシステム上でもOracleは問題なく動作するように思えたが、Red Hatのほうが概して問題が少ない」(テリー氏)

 テリー氏によると、RACおよび10gへのアップグレードを同社に促すきっかけとなったのは、ロサンゼルス地区のフェールオーバー基地となっていたデンバーのサイトを、アクティブ―アクティブ間のバックアップ基地としても利用する必要が生じたことだという。

 3nは現在、この目標に近づいている。同社は3月30日、Oracleの「Streams」製品のテストを開始した。これは、メッセージング、レプリケーション、データウェアハウスETL(抽出/変換/ロード)などのプロセスの基盤として使用可能な汎用的なデータ共有メカニズムである。

 「Streams製品では、使用中のデータベース同士が相互に会話して、データを双方向に交換するため、ネットワークのフロントエンドに置かれたロードバランサによって、並列運用中の2つのサイト間で負荷を調整することができる。このため、フェールオーバーシナリオやビジネス復旧プランの必要が基本的になくなる。常にアクティブな状態が維持されるからだ」とテリー氏は話す。

 テリー氏によると、3nでは数カ月ほど10gを使っただけだが、Streamsに関して言えば「9iよりも10gのほうがずっと良くなっている」。

 「9iでは、10iほどパフォーマンスが一定していなかった。アップグレードしたことで、クエリのパフォーマンスも改善された」(同氏)

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