システムの安定稼働の「3カ条」運用管理ツールで何ができるのか(4/5 ページ)

» 2006年04月17日 07時00分 公開
[ITmedia]

性能やリソースを監視してレスポンス低下の原因を調査する

 SAP R/3システムは、アプリケーションサーバ、データベースサーバ、ストレージなどで構成される。業務増大に伴うレスポンス悪化などを防ぐには、これらのシステムの統合的な管理が必要になる。引き続き、JP1を例に挙げ、解説していこう。

 JP1では、SAP R/3やSAP BWを含むアプリケーション、ストレージのパフォーマンス、サーバの性能情報を一元管理できる。レスポンス低下や障害発生時には、どこで問題が発生し、システム内のどこまで影響が及ぶのかを迅速に判断できる。また、収集したデータを蓄積し、レポートの表示も簡単にできる。現在の稼働状況と過去の稼働状況を比べたり、システムを快適な状態に保つためのチューニング、システムリソース増設時などの検討資料として利用できるのである。

ユーザーからの連絡の前に障害を検知
 JP1では、性能値、リソース値にしきい値を設定して監視し、グラフィカルなレポートによって、現在、過去の状況を的確に把握できる。これにより、障害発生の要因を事前に検知し、障害が発生した場合でもエンドユーザーからクレームが来る前にプロアクティブに対処可能になる。

蓄積した情報を基に将来のシステム資源を予測
 JP1では、収集した性能情報やリソース値の現在までの推移を簡単に的確に確認できる。これは、システム増強の判断材料として役立つだろう。また、システムに投資する際、どの資源を増強すればよいかが分かるため、適切な予算を立てることができる。

相関分析による問題の特定
 JP1は、問題が起きたとき、原因である可能性が高い稼働性能情報を抽出して問題点の切り分けを支援してくれる。

画面1 SAP R/3 アプリケーションサーバのレスポンスタイムレポート画面
画面2 相関分析結果画面

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