IBMメインフレーム接続までカバーするBizTalk 2006の最新形態(1/2 ページ)

BizTalk Server 2006の新機能はソリューションの導入と管理を簡素化し、別製品のHost Integration Serverがバンドルされることで、社内の重要なアプリケーションの多くを依然メインフレームで動作させている企業をサポートすることになる。

» 2006年05月09日 07時00分 公開
[Rob Helm,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版

 BizTalk Server 2006の価格は前バージョンよりも若干高く、小規模企業向けに提供されていた低価格バージョンも打ち切られている。BizTalk Serverは、エンタープライズアプリケーション統合(EAI)や企業間電子商取引のほか、異種アプリケーションとユーザーを1つの大きなビジネスプロセスに統合するための各種タスクを処理するためのMicrosoftのサーバ製品だ。BizTalk Server 2006の新機能により、ソリューションの導入と管理は簡素化されるだろう。そして、バンドルされる幾つかの重要な機能により、一般的なエンタープライズアプリケーションやメインフレームが係わる統合プロジェクトは加速されることになるだろう。

新機能は導入と管理を支援

 BizTalk Server 2006は2006年4月に製造工程向けにリリースされた。企業のウェアハウスとエンタープライズリソースプランニング(ERP)システムを接続したりなどのエンタープライズアプリケーション統合(EAI)、ビジネスパートナーとの間で注文書を発行/受領したりなどの企業間電子商取引、購入認可などのビジネスプロセス管理、およびユーザーとアプリケーションの両方が係わる顧客関係管理(CRM)などを扱うMicrosoftのサーバ製品の最新バージョンだ。

 これまでのバージョンと同様、BizTalk Server 2006には次の2つの主要機能を提供するコアエンジンが含まれる。

メッセージング
 BizTalk Serverは統合するアプリケーション間の通信用に、データフォーマットの変換、プロトコルの変換、メッセージのルーティングなどの機能を提供する。

ビジネスロジック
 BizTalk Serverには、メッセージレイヤ上で通信する複数のアプリケーション間で長期に及ぶ複雑なトランザクションを実行/調整するためのオーケストレーションエンジンが含まれる。また、開発者やビジネスアナリストが詳細なビジネスルール(地理ベースの出荷ルールや特定顧客向けの割引など)を構築し、BizTalkアプリケーションに導入するためのビジネスルールシステムも含まれる。

 顧客はBizTalkアプリケーションを構築する。BizTalkアプリケーションはBizTalk Serverエンジンで動作し、顧客にとって興味のある特定のアプリケーションを統合するソリューションだ。Microsoftやそのほかのベンダー各社は、BizTalk用のアクセラレータとアダプタも提供している。これにより、ベンダー固有あるいは業界固有の統合作業(例えば、RosettaNet標準を使った電子コンポーネント事業向けのサプライチェーン統合など)に適したコンポーネントが提供される。

 BizTalk Server 2006では、コアエンジンにはほとんど変更は加えられず、以下のように、BizTalkソリューションの導入/管理を支援する幾つかの新機能が追加されている。

  • BizTalk Serverの各種の必須条件(.NET Frameworkなど)のインストールを支援する改良版のセットアップルーティン
  • 開発者がBizTalkアプリケーションをWindows Installer(.MSI)ファイルにパッケージして導入を簡略化できるようにするためのアプリケーションパッケージングツール
  • BizTalkのビジネスアクティビティ監視(BAM)機能へのWebベースのインタフェース。これにより、管理者やビジネスアナリストはブラウザを介してBizTalkソリューションの状態を確認できる。

アダプタとHost Integration Serverをバンドル

 さらにBizTalk Server 2006では、パッケージングに変更が加えられ、BizTalkソリューションの構築コストが削減されることになりそうだ。具体的には、特定のシステムをBizTalk Serverソリューションと連携させるためのアダプタやコンポーネントが基本の製品に多数バンドルされている。バンドルされる主なアダプタとしては、IBMのMQSeriesメッセージキューイングシステム向けのものや、J.D. Edwards、Oracle、SAP、Siebelなどの製品向けのものがある。

       1|2 次のページへ

Copyright(C) 2007, Redmond Communications Inc. and Mediaselect Inc. All right reserved. No part of this magazine may be reproduced, stored in a retrieval system, or transmitted in any form or by any means without prior written permission. ISSN 1077-4394. Redmond Communications Inc. is an independent publisher and is in no way affiliated with or endorsed by Microsoft Corporation. Directions on Microsoft reviews and analyzes industry news based on information obtained from sources generally available to the public and from industry contacts. While we consider these sources to be reliable, we cannot guarantee their accuracy. Readers assume full responsibility for any use made of the information contained herein. Throughout this magazine, trademark names are used. Rather than place a trademark symbol at every occurrence, we hereby state that we are using the names only in an editorial fashion with no intention of infringement of the trademark.

注目のテーマ