MS、コラボレーション製品群のロードマップを策定

Microsoftはこれからの2年間、コラボレーション用ソフトウェア/サービス製品を相次いでリリースしていく予定という。

» 2006年06月06日 14時57分 公開
[Mary Jo Foley,eWEEK]
eWEEK

 Microsoftでは、多数の新しいコラボレーション用ソフトウェア/サービス製品の開発を進めており、向こう2年間にわたって相次いで製品をリリースする予定だ。同社が一部のパートナーに見せているロードマップには、このような計画が含まれているようだ。

 情報筋によると、Microsoftはこの2カ月間、一部のパートナーに「コラボレーションロードマップ」を示してきたという。「Office 2007」クライアントと「SharePoint Server 2007」に加え、Microsoftのコラボレーション新製品リストには、新しい「Office Live Server」や各種の「Antigen」ウイルス対策サービス、スパム対策製品の強化版などが含まれる。

 なお、Office 2007とSharePoint Server 2007は、10月に企業ユーザー向けに提供され、来年1月にすべてのチャネルを通じてリリースされる予定だ(関連記事)

 Microsoftでは、6月に予定されている2つのイベントの中でこれらの製品の一部の詳細を明らかにする考えだ。同社は6月6日に、Webcastを通じてビジネスインテリジェンス製品のロードマップを発表する。そして6月26日には、サンフランシスコで開催されるプレスとアナリスト向けの「Unified Communications Group」イベントにおいて、協業型コミュニケーション製品に関する詳細を明らかにする予定だ。

 Microsoftは今年1月、従来のExchangeチームとリアルタイムコラボレーションチームを統合した社内部門としてユニファイドコミュニケーショングループ(UCG)を設立したと発表した。同グループを統括するのは、リアルタイムコラボレーションチームの責任者を務めていたアヌープ・グプタ氏である。UCGは、ジェフ・レイクス社長が率いるMicrosoftビジネス部門に所属するグループとして、企業ユーザーを対象とした電子メール、インスタントメッセージング、VoIP(Voice over IP)、Webカンファレンス製品などを担当する。

 グプタ氏が推進するコラボレーション分野での取り組みは、MicrosoftのOfficeチームがOffice 2007およびSharePoint Server 2007の分野で進める取り組みと連携する形になる。Office分野での取り組みを率いるのは、アントワーヌ・ルブロン氏とカート・デルビーン氏である。

 Microsoftは5月31日、ルブロン氏がOfficeプロダクティビティアプリケーショングループの新責任者に就任したと発表した。同グループは、OfficeクライアントおよびOffice Liveなどの共有サービスを担当する。デルビーン氏は、新たに設立されたOfficeビジネスプラットフォームグループを統括し、SharePoint、Groove、Projectなどの製品を担当する。

 パートナーらによると、Microsoftのコラボレーション製品ロードマップでは、2006年下半期に下記の製品の出荷が計画されている。

・Microsoft Client Protection:Microsoftが最近発表したSMB(中小・中堅企業)/コンシューマー向けセキュリティ/バックアップサービス「Windows One-Care」のエンタープライズ向けバージョン

・Microsoft Antigen for SharePoint:Microsoftのコラボレーションサーバ用ウイルス対策ソフトウェア/サービス

・Microsoft Antigen for Instant Messaging:Office Communicator用ウイルス対策サービス

・Microsoft Antigen for Exchange:電子メール用ウイルス対策サービス

・Microsoft Advanced Spam Manager:Sybari Softwareの技術をベースとしたスパム対策製品の改良版

・Business Scorecard Manager Version“Next”:MicrosoftのOffice BIアプリケーションファミリー「BizSharp」に含まれる製品

 Antigenという名前は、Microsoftが2005年2月のSybariの買収に伴って取得した製品/技術のブランド名として1年前から用いられている。

 BizSharp(「Biz#」とも表記される)は、MicrosoftのOfficeビジネスアプリケーションチームが開発中のビジネススコアカード/分析アプリケーションファミリーのコードネームである。Microsoftによると、Biz#構想の一環として、Microsoftおよびサードパーティーのビジネスアプリケーションに自社のBIインタフェースを提供することを検討しているという。

 パートナー各社によると、2007年のコラボレーション製品の出荷リストには、「Windows Longhorn Server」と「Exchange 2007 Server」に加え、下記の製品が含まれている。

・Live Meeting Version 8:MicrosoftのWebカンファレンスサービスの次期版

・Microsoft Office Live Server:現在、「Live Communications Server」と呼ばれている製品の次期版

 Microsoftは2005年7月、Live Meetingのカンファレンス機能をLive Communications Serverに組み込むという計画を明らかにした。「Office Live Server」というブランド名に近く変更される製品では、社内でホストするWebカンファレンス機能に加え、マルチポイント型オーディオ/ビデオおよびビジネスプロセス連携機能が装備されるという。

 とはいえ、スタンドアロンのLive Meeting製品がなくなることはなさそうだ。

 Microsoft Watchが3月末に、Live Meetingの今後についてMicrosoftに問い合わせたところ、「1年後には、Live Meetingは当社のソフトウェア/サービス統合ビジョンを示す格好の例になるかもしれない。ユーザーは、カンファレンスを社内でホストするか外部のプロバイダーにホストさせるか、どちらかを選べるようになる」とレイクス氏は答えた。

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