「音声伝達以上の機能を提供する」、AvayaがIP電話の新製品

米Avayaは6月8日、さまざまなアプリケーションとの連携が可能な企業向けIP電話の新製品「Avaya one-X Deskphone Edition」を発表した。

» 2006年06月09日 15時35分 公開
[高橋睦美,ITmedia]

 米Avayaは6月8日、企業向けのIP電話端末の新製品「Avaya one-X Deskphone Edition」を発表した。音声品質の向上を図ったほか、WML(Wireless Markup Language)やAPIを通じて他のソフトウェアと連携し、電話上でさまざまな業務アプリケーションを利用できる点が特徴だ。

 米Avayaのコミュニケーションアプライアンス部門担当上級副社長兼ジェネラルマネージャのジェフリー・ベアード氏は、この新製品は「単なる電話ではなく、SAPやPeoplesoft、Microsoft、Citrixなどが提供するアプリケーションと連動し、Webサービスを作り出すもの」だと述べた。

 Avayaでは、SIPに基づくコミュニケーションアプリケーションと、SOA/XMLに対応した業務アプリケーションの連携という青写真を描いている。Avaya one-X Deskphone Editionもその戦略に沿った製品と言えるだろう。

 同社は2006年3月に、SIPをベースとしたIPテレフォニー製品群「Avaya one-X」シリーズをリリースしている。インスタントメッセジャーなどを統合したPC向けのソフトフォン「Avaya one-X Desktop Edition」やNokiaの携帯電話で動作する「Avaya one-X Mobile Edition」などが同シリーズに含まれているが、新製品のAvaya one-X Deskphone Editionは同シリーズの「フラッグシップ製品」という位置付けだ。

Avaya one-X Deskphone Edition Avaya one-X Deskphone Editionの本体

 Avaya one-X Deskphone Editionは、WebブラウザおよびWMLインタフェースを搭載しており、Microsoft Outlookをはじめとするさまざまなアプリケーションとの連動が可能だ。ハードウェア的には、品質の高い音声を拾えるようVoIPチップとマイクの部分に工夫を凝らしている。インタフェースとしてはUSBポートやBluetoothをサポートするほか、将来的に「IP電話がボトルネックとならないよう」(同社)、ギガビットイーサネットも搭載できるようになるという。

 同シリーズは、電話のやり取りやカンファレンスコールといった「純粋な音声のみを伝達する機能よりもパワフルな機能を提供する」とベアード氏。例えば電話機を、病院の予約システムやコンタクトセンター向けのアプリケーションと連動させることはもちろん、電話機をタイムレコーダーとして活用し、勤怠システムと連携させるといった利用法が考えられるという。独自に開発したカスタムアプリケーションについても、APIや開発ガイドを提供し、同シリーズと連携できるよう支援する。

 「Avaya one-X Deskphone EditionはPCを置き換えてしまうものではない。むしろそれをうまく補完するものだ」(ベアード氏)。

 同製品には、想定する顧客や使い方に応じた4つのプロファイルに沿って、4つのモデルが用意されている。

 外出の多いパワーユーザー向けの「9630 IP Telephone」と、デスクトップでの日常業務向けの「9620 IP Telephone」は、米国では7月より出荷が開始される予定だ。また、顧客とのコミュニケーションが多いスタッフなどを想定した「9650 IP Telephone」と、公共の場所などでの利用を想定した「9610 IP Telephone」は、2007年始めにリリースされる計画という。

 現在、日本語を含む14カ国語へのローカライゼーション作業が進められており、それらは2006年後半から2007年にかけて、ソフトウェアアップグレードの形で提供されるという。国内での価格はオープンプライスとなる見込み。

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