第1回:エンタープライズとLinuxの関係エンタープライズLinuxの実力(5/5 ページ)

» 2006年07月07日 08時00分 公開
[松井一朗,ITmedia]
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導入例も増えつつあるハイエンド分野とHPC分野

 メインフレームクラスのハイエンドサーバ市場にも、Linuxは着実に浸透しつつある。

 例えば、IBMのメインフレーム「eServer zSeries」では、すでに3割以上でLinuxが稼働しているという。IBMは早くからメインフレームにLinuxを搭載する動きを見せており、2000年には「S/390」用のSUSE LINUXを出荷している。ノベルが買収する以前のSUSE LINUX Enterprise Server 7はぷらっとホームから、SUSE LINUX Enterprise Server 8は「Turbolinux Enterprise Server 8 powered by UnitedLinux for zSeries」の名称でターボリナックスからOEM調達していた。現在では、ノベルがSUSE LINUX Enterprise Server 8/9 for IBM Main framesを提供している。なお、Red Hat Enterprise LinuxにもS/390およびzSeries用があるが、主流はSUSE LINUXになっている。

 ちなみに、メインフレーム向けのLinuxはNECも手がけており、Itanium 2を搭載した同社のメインフレーム「ACOS i-PX9000」では、Red Hat Enterprise Linuxが提供されている。また、プロプライエタリなメインフレームではないが、Itanium 2を搭載したHPのハイエンドサーバ「Superdome」では、Red Hat Enterprise LinuxまたはSUSE Linuxがサポートされる。

 もう1つ、Linuxが伸長しているのが、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)の分野である。技術演算系の超並列コンピュータには、もともとLinuxがよく利用されてきたが、最近では金融系を中心にHPCの導入も進み、それに伴ってLinuxも多く導入されている。この分野では、グラフィックスを中心としたエンジニアリング分野に強いSGIが大手サーバベンダーの一角を切り崩している。

Linuxが稼働するメインフレーム「eServer zSeries 900」

このコンテンツはサーバセレクト2006年3月号に掲載されたものを再編集したものです。


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