無線ICタグに対応する次期BizTalk Server(2/2 ページ)

» 2006年07月12日 07時00分 公開
[Chris Alliegro,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版
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 さらにR2の開発ツールでは、EDIスキーマと連携するためのより完全な機能が提供される。現在、EDIスキーマとの連携には、Covastが提供している拡張機能が別途に必要だ。BizTalkのEDIサポートの強化は、Microsoftらしいアプローチと言える。「製品の成功にとって不可欠と思われる分野であれば、たとえ、現状ではパートナー企業によってカバーされている分野であろうと、その分野に進出する」というのがMicrosoftのやり方だ。これまでBizTalkのEDI機能の不足部分を補完してきたパートナー企業、特にCovastは、R2のリリース後はチャンスの縮小に直面することになるだろう。

 さらにBizTalk Server 2006 R2はRFIDもサポートする。RFIDは、超小型アンテナ付きの小型の電子IDチップを使用した追跡技術。製品のパッケージ、デバイス、パレット、コンテナなど、多様なアイテムに装着して、企業の在庫管理のほか、出荷や請求書作成業務の迅速さや正確さの改善にも役立てられる。開発者はBizTalk Server 2006 R2ツールにより、RFID搭載デバイスからデータやイベントを収集し、そうした情報をほかのシステムやアプリケーションに統合し、例えば、在庫追跡アプリケーションでの在庫レベルの調整などに役立てられる。そして、BizTalk Server 2006 R2でRFIDがサポートされることで、パートナー企業や顧客はRFIDの実装を加速できる。これまでは、一部には、ERPシステムなど主要なビジネスアプリケーションとRFIDインフラを統合するためのツールが用意されていないこともあり、RFIDの実装はそれほど活発には進んでいない。

Webサービスのサポートを改善

 さらにMicrosoftによれば、BizTalk Server 2006 R2はWindows Communications Framework(WCF、以前はコード名でIndigoと呼ばれていた)対応の通信アダプタとともに出荷される見通しだ。WCFは、策定中の各種のWS-* Webサービス標準/プロトコルを実装するメッセージ指向のAPIだ(WCFは.NET Framework 3.0のコンポーネント。.NET Framework 3.0はVistaに搭載され、Windows XP SP2とWindows Server 2003 SP1にも対応する)。

 これらの通信アダプタの機能のなかでも特筆すべきは、これらのアダプタを使えば、開発者はWCFに準拠したWebサービスインタフェースを公開するアプリケーションとの間でメッセージを送受信するBizTalkソリューションを構築できるという点だ。BizTalk ServerでのWCFのサポートは、サービス指向アーキテクチャ(SOA)を構築するための最適な選択肢として自社のプラットフォームを位置付けるためのMicrosoftの取り組みの一環だ。SOAは、主要なアプリケーション同士が通常はWebサービスや標準のインターネットプロトコルを介してXML形式のデータ/メッセージを交換する環境として注目されている統合アーキテクチャだ。

 Microsoftによれば、BizTalk Server 2006 R2は2007年上半期にリリースされる見通し。価格とライセンス条件については、まだ発表されていない。

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