「1つのエンジン」の強みは絶大――Oracleが提示するOLAPの新境地BI革命を起こす日本オラクルの新プラットフォーム 【連載第4回】

ビジネス・インテリジェンスをシステムとして全体最適化するためには、データウェアハウスの質をいかに高めるかが鍵になる。さまざまなデータソースに対応し、優れた分析機能を持ち、パフォーマンスも高いシステムを構築するための選択肢として、筆頭に挙がるのはやはりOracleであることが分かる。

» 2006年07月18日 10時00分 公開
[ITmedia]
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 ビジネス・インテリジェンス(BI)システムの全体最適を実現するには、インフラ面だけでなく分析環境についても統合化していく必要がある。

 最近ではさまざまなベンダーが、買収戦略を軸に自社のサービスやソフトウェア製品のラインアップの拡充を図っている。ところが、多くのケースにおいて、買収したソフトウェアを自社のブランドに加えるのみで、単に製品のバラエティを増やすのみにとどまっている。そんな中で、オラクルの強みは、買収した製品や技術を確実にオラクルのオリジナル製品へと進化させているところにある。

真のハイブリッドOLAPサーバー

 中でも代表的な製品が、Oracle Databaseに完全に統合されたOracle Business Intelligence SuiteのOLAPサーバー機能だ。リレーショナルデータベースにOLAPサーバーが完全に統合されたメリットについて、日本オラクルのシステム製品統括本部マネジャー、桑内崇志氏は次のように説明する。

 「BIシステムを利用する際には、リレーショナルデータベースと多次元OLAPの両方のデータが必要です。どちらが優れているといるわけではなく、顧客の要件で決まります。通常、OLAPサーバーを別に構築する場合、要件定義の段階で分析環境を別にし、OLAP専用の設計をし、OLAP専用のツールで開発することになります。Oracle Databaseであれば、その作業は必要ありません。リレーショナルデータベースとOLAPのデータを柔軟に利用して検索、分析できます。リレーショナルデータベースと多次元OLAPが完全に統合され、真にハイブリッドなデータウェアハウスが実現するのです」(同氏)

 OracleのOLAPサーバー機能は、リレーショナルデータベースのエンジンに統合されている。そのため、OLAP専用の方法に加え、通常のSQLでもアクセス可能だ。基本的に他社が提供するOLAPサーバーは、リレーショナルデータベースとは別のサーバーで稼働する製品が多い。それらは、仮にリレーショナルとのハイブリッド型と呼ばれていても、実はエンジンは別々で、相互の連携は密ではない。何らかのトリガーによって、OLAPサーバーがリレーショナルデータベースにデータを取りにいく程度の関係だ。これを実現するために、OLAPサーバーからアクセスするための専用ユーザーをリレーショナル側に用意するのが通常の対処方法となっている。

OracleのOLAPアプローチ

 一般に、リレーショナルデータベースとOLAPではエンジンが異なるため、別々の方法でユーザーを管理しなくてはならない。さらに、OLAPには独特なシステム管理が求められるため、管理担当者となるユーザーにはリレーショナルデータベースとは別のスキルが要求される。一方で、Oracleの場合は、SQLでのアクセスが可能なだけでなく、ユーザー管理も通常のリレーショナルデータベースと同じだ。つまり、Oracleはアクセスコントロールなどのセキュリティ面の対応においても、他製品にはない利便性が備わっているのである。

マイニング機能をも融合し正しい分析を実現する

 さらに、Oracle Databaseにはデータマイニング機能も融合されている。これについても、マイニング専用の環境を別システムとして準備する必要がないため、そのメリットは大きい。

 「一般のデータマイニングツールは、分析を行う際にデータウェアハウスに格納されたすべてのデータを検索対象にはしていません。これは、データマイングのシステムがデスクトップ型であったり、専用のデータベースで容量に制限があったりするためです。そのため、通常はデータウェアハウス全体からサンプリングしたデータを用います。これでは、サンプリングによって、結果を恣意的に変えることができてしまいます。Oracleであれば、マイニング・エンジンもリレーショナルデータベースと同じエンジンで動くので、こういった心配は必要ありません」(桑内氏)

 さらに、デスクトップ型のマイニングシステムでは、ほかのシステムとのシームレスな連携が難しい。マイニング分析の結果を別のシステムにわたすためには、いったんCSVファイルなど変換して渡さなくてはならず、簡単ではない。エンジンが共通のOracleなら、こうした機能をスムーズかつシームレスに連携できる。

 ETLサーバーの機能も含め、OLAPやマイニングも1つのエンジンで動くことは、BIシステムの全体最適化に大きく貢献する。これにより、セキュリティ設計からパフォーマンス・チューニングに至るまで、オラクルなら1つのOracle Databaseに対して実施すればいいのだ。

オープンなアクセスを実現したOracle OLAP 10g

BI専業ベンダーに匹敵する体制で全体最適を支援する

 日本オラクルでは、2006年6月から営業や技術者、コンサルタントやサポートに至る、80名規模のBI専任組織を構成している。これは国内のBI専業のベンダーと同じくらいの規模であり、オラクルの密接なパートナー企業との関係を考えれば、それを上回る体制だといえる。これは、日本だけの独自の体制ではなく、米オラクルが世界中でBIに注力している状況を反映したものだ。

 さらに、昨年度50件の実績があったBusiness Intelligence Express Serviceという無償のBIシステム導入支援サービスを拡張して、有料のPremiumサービスの提供も開始する。このBusiness Intelligence Express Service -Premiumで、オラクルのBIシステムのサイジングやパフォーマンス診断、BIシステムに特化したセキュリティ診断など具体的な顧客の要望に応えていく。オラクルは、BIシステムの威力を発揮する製品技術に、構築を支援するサービス体制を併せ、新たな顧客の要求に応えるBIシステムの全体最適化を強力に支援する。

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提供:日本オラクル株式会社
制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2006年7月26日