今回のIISバージョンにおけるもう1つの大きな変更点が「web.config」ファイルである。これは、同Webサーバのすべての基本構成を管理するXMLベースのファイルであり、ほかのサーバに簡単に移植することができる(例えば、開発用サーバからステージングサーバに移植するなど)。
このファイルは従来、ASP.NETの構成用としてIISで使用されていたが、今回のリリースでは、Webサーバの全般的構成に対応するようになっている。ずっと以前からApacheでは「httpd.conf」、各種Javaサーバでは「web.xml」という構成ファイルが用意されていたが、これらと同様の柔軟性とカスタマイズ機能がIIS 7で実現されるのは喜ばしいことだ。
IIS 7では、「IIS Manager」コンソールの管理インタフェースも刷新された。従来バージョンの純粋なMMC(Microsoft Management Console)型インタフェース(われわれには好感が持てなかった)が取り払われ、直感的な階層型インタフェースが採用された。新インタフェースではタブを多用せず、状況に対応した情報が表示される。
リモート管理機能も改善された。標準的なセキュアなHTTPコネクションが採用されたことで、リモート管理にVPNを利用するのが容易になった。
また、リモート管理機能がデフォルトで有効にされていないことも評価できる。この機能は潜在的なセキュリティ問題であると考えている企業は多い。
今回のIIS 7リリースはβ版であるが、現行版のIIS 6と比較してパフォーマンス的にどの程度であるかを調べるために、簡単な性能テストも実施した。
一連の性能テスト(Longhorn Server β版上でIIS 7を、Windows Server 2003上でIIS 6を実行)では、ほとんど違いは見られず、IIS 7がやや高速だったテスト(1秒当たりの平均トランザクション数やヒット数など)もあれば、速度的にやや劣る結果となったテスト(平均スループットやページダウンロード時間など)もあった。
なおMicrosoftは最近、IIS専用のWebサイトを公開した。
このサイトでは、IISの試用版へのアクセスのほか、このWebサーバに関する多数のFAQや有用な情報が提供されている。
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