IBM、x86サーバとブレードでXenをサポートへ

IBMは、自社のx86サーバやブレードサーバ、ミドルウェアなどでオープンソースの仮想化技術「Xen」をサポートする考えだ。

» 2006年07月18日 12時29分 公開
[Jeffrey Burt,eWEEK]
eWEEK

 IBMは、Novellの「SUSE Linux Enterprise 10」のリリースを受け、オープンソースの仮想化技術であるXenを自社のx86サーバでサポートする考えだ。

 ニューヨーク州アーモンクを本拠とするIBMの7月17日の発表によると、同社はまず、IntelおよびAdvanced Micro Devices(AMD)のプロセッサを搭載したサーバおよびブレードプラットフォームでXenをサポートするとともに、同社のミドルウェアでもこの仮想化技術をサポートする。

 その後、IBMのほかのサーバプラットフォームにもSUSE Linux Enterprise 10およびXenのサポートを追加する予定だという。

 IBMの仮想化ソリューションのマーケティングディレクター、ケビン・レーヒー氏は、「特にx86プラットフォームのユーザーの間で仮想化が急速に普及している。x86向けの仮想化技術が登場したのは比較的最近のことだ。この分野ではVMwareが有力だが、ユーザーは現在、選択肢を求めている」と話す。

 1台の物理サーバ上で複数のワークロードを実行する技術である仮想化は、メインフレーム用の技術としてIBMによって開発されたが、VMwareが約5年前に最初のHypervisorをリリースするまでx86システムでは一般的ではなかった。その後、仮想化技術は急速に普及し、マサチューセッツ州フレーミンガムの市場調査会社、IDCの予測では、2009年までに仮想化市場の規模は150億ドルに達する見通しだ。

 市場の拡大に伴い、Microsoftなどの大手企業に加え、SWsoftやVirtual Ironといった小規模ベンダーなども仮想化分野に参入した。Xenは、VMwareの技術と同じ機能を持った無償のHypervisorを提供するオープンソースプロジェクトを通じて開発された。「Xen 3.0」は昨年リリースされ、XenSourceなどの企業がこの技術をベースとした製品を発表した(関連記事)

 NovellとRed Hatによれば、両社はそれぞれのLinuxディストリビューションにXen技術を組み込む予定だとしており、Novellは7月17日、同技術を搭載した最新版のSUSE Linuxディストリビューションを発表した。また、自社のプラットフォームでXenのサポートを提供する予定だとしているOEMも多い。例えばSun Microsystemsでは、2007年半ばまでにSolaris 10でXenをサポートする計画だ

 レーヒー氏によると、ハードウェアプラットフォームとミドルウェアの両方でXenがサポートされることにより、ユーザーはこの技術を利用しやすくなるだけでなく、一元的な管理とサービスが可能になるという。

 「初期のLinuxと同様、普及のカギとなるのは、アクセスとサポート、そして管理機能をユーザーに提供することだ」とレーヒー氏は話す。

 「Xenは普及期のLinuxと同じ道筋を進んでいるようだ」と同氏は指摘する。Linuxの場合と同様、伝統的に新技術を早期に採用してきた金融サービス分野でXenの人気が高まっているという。

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