Web2.0型サービス:ミツエーリンクス「3Sマッチング型Web構築サービス」Web2.0でビジネスはどう変わるか ― その3

Web2.0は企業のビジネスモデル、マーケティング、情報システム戦略にどのような変化をもたらすのか。専門家の見方を紹介しながら、可能性と課題の両面から考察する。今回はWeb2.0型サービスの中から、ミツエーリンクスの3Sマッチング型Web構築サービスを紹介する。

» 2006年07月19日 08時00分 公開
[ロビンソン,ITmedia]

 インターネットの黎明期といえる1990年の創業から、ITビジネス支援事業としてデジタルコンテンツを中心としたユニークなサービスを供給してきたミツエーリンクスは、Web2.0時代のユーザーエクスペリエンスの向上のため、“3S”を最適化するWeb構築サービスを推進している。

アーキテクトカンパニー取締役 岡田貴彦氏(右)とミツエーリンクス取締役 野中太郎氏

企業のWeb2.0化への課題

 「オライリー氏が提唱した『What is Web2.0』に、さまざまな人が独自の解釈を加えて示す中、企業もWeb2.0的なビジネスをしたいと考えてはいるものの、では何をすればいいのか、何が変わるのかの明確な答えが見つからないというのが、一般企業の現状だといえるでしょう」と、ミツエーリンクス取締役の野中太郎氏は語る。

 同氏は、企業がWeb2.0化を推進するための課題を3つ示した。1つ目は、情報発信のスピード化だ。ブログやSNSなど、ユーザー発信の情報が日々膨大に生み出されている中で、その総量と自社の発する情報量の格差にどう対応するかが大きな問題となっている。2つ目は、「スティッキネス」(個々のサイトへの忠誠)から「シンジケーション」(サイトの垣根を越えた連携)への対応。リアルな世界のブランディングも現在では消費者主導型に傾きつつある。こうした市場環境において、ユーザーとの“共創”をベースにしたブランド戦略をどのように展開すべきなのかという問題。そして3つ目は、社内ITシステムへの活用である。XMLをベースとしたWeb2.0的技術やSOAをいかに自社のITシステムに取り込み、業務の改善に役立てるかが問われているという。

ユーザーの情報閲覧行動に変化

 同社は今年2月、Web2.0時代に合わせた「3Sマッチング型Web構築サービス」をリリースした。このサービスでは、インターネットでのユーザーの情報閲覧行動が3S(Search:検索、Subscribe:購読予約、Share:情報の共有)に変わってきた最近の状況に注目し、それに合わせてサイトを最適化することが、ユーザーの要求に応じた情報発信であると提案する。

 企業サイトの構築や運用を行う岡田貴彦氏は、「Web2.0的インターネット環境において、ユーザーはこれまでと異なる情報利用のスタイルを持つようになりました」と語る。今やユーザーの情報閲覧行動は、ポータルサイトや検索エンジンといった限られた場所で情報を入手するスタイルから、RSSリーダーやブログのネットワーク、SNS、ソーシャルブックマークなどへと急速に変化しているという。「これまで以上に適切な形で、自分が求める情報を入手するように変化したユーザーのスタイルを、当社では“ユーザー行動の3S”と位置付け、ユーザーエクスペリエンスの向上を実現する次世代のWeb構築サービスとして積極展開するつもりです」(岡田氏)

 構築のベースとして利用するpMachine社の「ExpressionEngine」は、 RSS/Atomフィード発行ツールの標準サポートや複数ブログの利用、ユーザー管理やワークフロー管理などを可能とするCMS機能を持ったWebパブリッシングシステムで、フレキシブルな拡張性、カスタマイズ性を特徴としているという。

3Sマッチング型Web構築サービス

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