全体最適化されたBIシステムを提供できるSASの強み“過去”からの脱却――エンタープライズ・サーバー選択の新常識

BIを取り巻く状況が大きく変わりつつある中、SASはBI専業ベンダーとして全体最適化されたBIシステムを提供していることで定評がある。BIシステムの基盤となるSAS® Enterprise Intelligence Platformに求められる4つの要素、そのすべてを備えたSASの実力に迫る。

» 2006年07月20日 15時00分 公開
[ITmedia]
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 BI(Business Intelligence)を取り巻く状況が、変わりつつある。昨今の企業に対するコンプライアンスの重要性の増加、日本版SOX法に対応する内部統制の確保などのために、「管理」を目的にBIを活用したい、また、コスト削減や効率化を目指したIT投資が一巡した感もあり、次なるIT投資の目的として継続的な成長や競争力の確保のために、BIで意思決定支援やさまざまな予測を行いたいという要望もある。

SAS 執行役員 EIP ビジネス開発部 統括部長 桐井 健之氏

 「SASは、30年も前からデータを分析し、予測値を提供するというビジネスを行ってきました。このためには、BIの個々の機能をどうするかではなく、システムとして最終的にきちんとした答えが出せるかが重要です。個別機能の最適化はあまり意味がなく、BIシステム全体の最適化が重要になります。これができるのは、データを集めそれを適切な状態で格納し、そのデータに対し分析して結果を共有するという、BIのすべての過程を提供するSASだけではないかと思っています」と語るのは、SAS Institute Japan EIPビジネス開発部統括部長で執行役員の桐井健之氏。

 SASは、BIの老舗ベンダーとして名を馳せている。中でも、統計解析などの分析に強いイメージがある。しかし、SASは分析ツールだけに特化したベンダーではない。システムを統合的に提供できる、唯一のBI専業ベンダーなのだ。そのSASが提供するBIシステム基盤が、SAS® Enterprise Intelligence Platform(EIP)だ。EIPには、4つの要素がある。データの統合とETL(Extract Transform and Load)を実行するData Integration、BIに特化したデータストレージとなるIntelligence Storage、蓄積されたデータの高度な分析を行うAnalytics、そして検索やレポート、分析結果の共有などをおこなうフロントエンドツールのBusiness Intelligenceだ。

EIPを基盤とし、そこから特定の業務・業界ごとに特化したインテリジェンスを創出しようとするのがSASの基本的な考え方

 SASは、これら4つのフェーズそれぞれに対応した製品を提供しており、エンド・トゥ・エンドのBIプラットフォームの構築を支援する。Data Integrationでは、社内に散在するデータを効率良く集めることができる。いわゆるETLツールの機能があり、さらにGUIでジョブフローを定義し実行するなども可能で、データ収集業務の運用面を自動化、効率化する機能を備えている。さらに、ソースデータや分析方法に変更が生じた際に、システムがどのような影響を受けるかを事前に予測するインパクト分析も可能だ。これらを使えば、頻繁に発生するシステム改変の手間とコストを最小限に抑え、TCO削減にも貢献できる。

 Intelligence Storageは、SASの要の部分だ。集めたデータを分析に適した形に配置し、分析しやすいように格納する。さらに、OLAPサーバの機能をも内包したBI専用データベースだ。前出の桐井氏は、Intelligence Storageについて、次のように説明する。

 「Intelligence Storageは、リレーショナル型とは違うBI専用のデータベースです。リレーショナルデータベースは、OLTP処理をいかに効率的におこなうかを目的としているため、正規化して表を分割し、書き込み範囲を小さくして更新のレスポンスをあげます。これに対しBIでは、スタースキーマに代表されるデータモデルの表に対して、全件データを処理することが多いため、読み込み、書き込み処理をいかに速くするのかが重要なポイントとなります。SASは、Intelligence Storageを通じて、RDBMSでは不得意な処理を高速化する技術だけでなく、マルチスレッド処理による高速化や、データの分散化、パラレルI/O処理、多次元データベースなど複数の技術要素を提供しています」

 この構造は、分析の際に効率がいいだけではない。先のData Integrationでおこなう、データロードでも効果を発揮する。RDBMSに格納する際には、該当するカラムにデータを1つ1つ、属性チェックをしながら収めていく。これに対しIntelligence Storageであれば、大きな表構造に一気に大量データを流し込むことができるのだ。そのため、無用な属性チェック処理のオーバーヘッドなどが極端に少なくてすむ。

 「企業ではできることなら更新したい情報を、データロードに時間がかかるという理由であきらめている例が多々あります。この時間がかかる原因は、ロードの仕組みではなく、格納するデータベース構造の問題かもしれないのです。SASのデータロード性能が高いのは、データベースの構造が、BIに適した形になっていることが大きな要因です」

 このIntelligence Storageに、分析に必要となるデータを一元的に管理できる点が、統一され全体最適化されたBIシステムの構築に大きく寄与することになる。

専門家の分析ノウハウを最大限に活用する

 BIで常に高い機能、性能を要求されるのが、ユーザーが直接触れる分析環境だ。Analyticsは、高度な分析環境を提供する。もともとSASは、各種検定、多変量解析、時系列分析、品質管理などの統計解析分野においては定評がある。ここには、SAS® Enterprise MinerTMというマイニング機能も用意され、クラスター分析や決定木などの定番のマイニング手法に加え、主成分ニューラル、2段階モデルなどの最新のモデリング手法もサポートしている。

 これら高度な分析手法を使いこなし、そこで得られた結果をさまざまなユーザーが、最も使いやすい形で利用できるようにするのがBusiness Intelligenceだ。分析のノウハウやナレッジを社内で活用する、全社共有のためのツールともいえる。BIベンダーの多くがサポートしているポータル/ダッシュボード、Webブラウザでの分析、およびレポーティング操作による多次元分析、定型、非定型分析はもちろん、最も普及しているMS Officeをインタフェースにできるのだ。

 「BIツールは結局のところ、一部の専門家だけが使い、結果をExcelのデータにして配布しているという話をよく耳にします。これでは、Excelに切り出した最低限のデータしか利用できません。SASでは、インタフェースがExcelであっても、6万数千件のExcelの表示制限を超えるデータ、例えば、100万件とか、200万件のデータに直接アクセスして分析が実施できるのです。SASでは、BIといっても、データベースのエンジン部分が、主流のビジネスだと考えています。そのため、ユーザーが利用するインタフェースは、ブラウザに限る必要はなく、Excelが使いやすければそれを利用してもらいます」

 通常のBIツールでは、出力するレポートごとにデータベースが異なる場合がある。帳票形式のレポート用に、あるいはOLAP用にそれぞれのタイミングでデータベースを切り出す。そうすると、レポート間でデータの整合性が取れなくなる可能性がある。BIツールとデータベースを別々のベンダーが提供している場合には、往往にしてこのような不整合が起こりやすい。また、検索で性能が出ない場合も、問題はデータベースにあるかもしれない。これもツールとデータベースのベンダーが異なれば、問題点の切り分けも難しくシステム全体を最適化するのが難しい。

 SASであれば、どのようなツールからでも、常に1つのデータにアクセスするので分析結果に矛盾が起きることはない。さらに、パフォーマンスに関する問題も、一貫したアーキテクチャのおかげで問題点の洗い出しも容易だ。アクセスコントロールなどのセキュリティ管理でも、データベースやツールなどで個別に実施する必要はない。

SASをベースとして構築することで、複雑になりがちなBIシステムを、段階的に全体最適化へと導くことが可能となる

ハードウェアの性能を最大限に引き出す

 SASのソフトウェアは、ハードウェアの性能をフルに利用するという。ほかのソフトウェアでは、瞬間的にCPUをフルに使うことはあっても、それが長く続くことは希だ。これは、さまざまな処理をおこなうため、ソフトウェア自体がリソース利用にバッファを持たせているためと考えられる。SASは、ファイルシステムもシンプルで余分な管理機能を持たず、システムリソースを有効に活用しやすく、リソースを追加すればその分だけリニアに性能が向上しやすい。

 さらに、最新テクノロジの採用も、その恩恵は大きいという。EIPビジネス開発部マネジャーの岡本和之氏は、Itanium® 2 プロセッサを搭載するHP Integrityサーバーに対する期待を次のように語っている。

SAS EIP ビジネス開発部 マネージャー 岡本 和之氏

 「SASの場合は、検索処理のマルチスレッド化はもちろん、データロードについてもマルチスレッドに対応しています。つまり、CPUの並列化による、さらなる性能向上が期待できるのです。もちろん、64ビットにも対応しているので、メモリ空間の有効活用でもItanium® 2 プロセッサでは期待できます。高性能なCPU能力を十分に引き出せる可能性があるので、SASとの組み合わせでハード本来の性能を引き出せると考えています」

 また、岡本氏は、今後のSASソフトウェアの方向性を次のように示している。

 「SASはオープンスタンダードなものを、どんどん取り入れていこうとしています。OSであればLinuxへの対応はもちろん、SOAP、XMLなどにも積極的に対応しています。これまでも、そしてこれからも標準化については常に積極的です。また、新しい技術でもあるGridへの対応も進めています。こういった動きも、HPおよびIntel社のオープン性への取り組みと方向性は合致し、相乗効果でより柔軟でオープンなシステムを提供できると思います」

 従来のBIシステムは、さまざまなレポートを使いやすいユーザーインタフェースで提供するだけのものが多く過去の状況把握には役立つ、あるいは、個々の業務に対するレポートや分析には有効な、個別最適システムだった。SASでも個々のBIの要求に対応できるように、機能ごとにパッケージ化して提供している。しかしながら、個別提供してはいるがメタデータは唯一であるため、SASでBIの一部を構築していれば、段階的に全体最適化されたBIシステムに成長させるのは容易だ。新しいBIシステムに求められる、統合的なBIシステムを目指すのであれば、SAS Enterprise Intelligence Platformの採用が、威力を発揮しそうだ。



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制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2006年9月30日