シャア専用ズゴックの一撃に沈むジムはなぜ美しいのか商品企画最前線(2/3 ページ)

» 2006年07月23日 00時59分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

商品開発のヒント

 ジムは何を教えてくれたのか。それは、購入する人に特別な感情を抱かせることができれば、たとえ量産品だとしても付加的な魅力が生まれ、多くの人の心をとらえるヒット商品を生み出す可能性があるということである。

 そのヒントとなる商品を最近テレビで見かけた。日本テレビが番組内で紹介する「ラジかるッポシュレオリジナルバッグ福袋」という商品である。同商品は、牛革トートバッグ、ボストンバッグ、牛革リボンバッグ3点で1万円という破格の価格設定を売りにしている。

 だが、従来こういった製品の紹介を見て、「安かろう、悪かろう」とか、「安すぎて買う気がしない」と考え、見向きもしなかった人も少なくないのではないか。

 だが、この番組には、都内にある小さいながらも長年にわたって信頼できる仕事を行ってきたカバンメーカーの職人が登場する。この職人に、「何とか1万円で3つのカバンをつくってほしい」と依頼主の業者が頼み込むシーンが流された。職人は、「がんばってやらせてもらいます」と対応。1カ月あまりで、試作品が作られた。

 すると、安物で見向きもする気がしなかったはずの3つで1万円のカバンが、心なしか光り輝き、とても魅力的な商品に見えてくる。まさにこれは、職人に感情移入した人間が、そのカバンにも感情移入した証だといっていい。

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