アーキテクトと開発者の違いは? MSの新認定プログラムが始動(2/2 ページ)

» 2006年07月26日 07時00分 公開
[Paul DeGroot,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版
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MCA認定試験の詳細

 昨年の発表以来、同プログラムの詳細が発表されている。

 既に同社は、現在の専門能力に基づき63名をMicrosoft Certified Architect(MCA)に認定している。内訳は、米国の技術者が39名、米国外の技術者が24名である。また63名のうち、26名はMicrosoft社員であり、残りの37名は同社以外の技術者である。大半(44名)はソリューションアーキテクトであり、残りはインフラストラクチャアーキテクトである。

 7月14日に受け付けが開始された第1回目の同認定試験の定員は、250名である。次回以降の申し込み受け付け時期については発表されていないが、第1回目のプロセスの進行具合により左右されることが考えられる。

 申し込みに際しては200ドルが必要で(申し込みプロセスは、MicrosoftのパートナーProMetricにより管理される)、申し込みが受理された場合、10000ドルの受験料を支払う必要がある。受験料の一部は、担当の指導アーキテクト(メンター)に支払われる。受験者は、90〜120日間にわたり80〜120時間をメンターによる指導と準備に費やして、審査委員会によるレビュー(口頭面接試験)に備える。口頭面接試験は、プログラムへの参加が受理されてから、12ヶ月以内に行う必要がある。

 面接試験自体は2時間ほどで終了する。この試験の流れとしては、まず受験者によるプレゼンテーション(30分間)を行い、第1回目の質疑応答(40分間)、さらに審査委員だけで話し合いをした後に2回目の質疑応答(40分間)を経て、最後に審査委員による投票が行われる。

MCA取得のメリットは?

 Microsoftとしては、開発者コミュニティにおいて強い影響力を持つ開発者との関係を築くことで、このプログラムによるメリットを得られるだろう。しかし、アーキテクト自身のメリットについては、いまひとつ明瞭でない。アーキテクトレベルの開発者のほとんどは、既に開発や管理上高い地位についていると考えられるからだ。

 書類選考やレビュープロセスもそうだが、MCAの認定を受けるメリットについても、まだ明確な規定はまとめられていない。試験に合格すると、認定ロゴが与えられ、アーキテクト自身やアーキテクトが所属する会社はこれをマーケティングに利用できる。また、MCAをメンバーとするクラブは、長期的な目で見れば同業者間のネットワークの場として有用だろう。

 Microsoftは、MCA“専用の特典パッケージ”の用意を進めていると言うが、これが提供されるのは2006年秋の見込みだ。つまり、第1回目の受験者が認定プロセスに登録するために10000ドルを払い込んだ後になる。また、認定プロセスを終了したアーキテクトは、次回の認定試験においてメンターの役目を引き受け、ある程度の時間を貢献することが期待されている。

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