IronPython 1.0リリース候補登場

IronPython 1.0リリース候補のダウンロードには、Pythonを始める.NETプログラマーと、.NETを始めるPythonプログラマーのためチュートリアルが含まれる。

» 2006年07月28日 18時23分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 米Microsoftは、コミュニティーソースサイトCodePlexで「IronPython 1.0」のリリース候補を公開した。

 デベロッパー部門副社長S・“ソーマ”・ソマセガー氏は7月25日のブログで、Microsoft CLI(Common Language Infrastructure)上で走る動的な言語のリリース候補に至ったことで開発チームを賞賛した。同社は各種のプログラミング言語をサポートするためにCLIを設計した。実際、「.NETフレームワークの優れた機能の1つはCLIだ」と同氏。

 「IronPythonは動的なオブジェクト指向Python言語をCLIの上に実装するプロジェクトだ」と同氏。IronPythonは.NET Frameworkと統合されており、真のPython言語の実装だと同氏は言う。

 「.NETとの統合は、このリッチなプログラミング言語フレームワークをPython開発者が利用できること、彼らがほかの.NET言語やツールと相互運用できることを意味する。インタラクティブインタプリタ、動的なオブジェクトの修正、メタクラスなどPythonの動的な機能のすべてが利用できる。IronPythonはCLIを利用して高い性能を実現し、標準的なPystoneベンチマークで、最高で標準的なCベースPython実装の1.5倍高速に動作する。

 さらに、IronPython 1.0リリース候補のダウンロードには「.NETプログラマーがPythonを始めるための、Pythonプログラマーが.NETを始めるためのいい方法となるチュートリアルが含まれる」とソマセガー氏。

 同氏は、「Visual Studio SDKチームがIronPythonプロジェクトを、言語開発者に対し、彼らの言語をいかにしてVisual Studioでサポートできるかを示す機会として活用したことは素晴らしい」と思うと語る。「同チームはソースとともに、プロジェクトシステム、デバッガ、インタラクティブコンソール、IntelliSense、Windowsフォームデザイナーを含むIDEに統合するために必要な幾つかの基本事項を示すサンプルを作った」

 IronPythonはMicrosoft CLR(Common Language Runtime)チームの開発者ジム・ハグニン氏が開発した。同氏は2004年にMicrosoftに入社した。

 2004年7月の声明文で、同氏は次のように述べていた。「ちょっとした仕事をして、『どうして.NETは動的言語にとってひどいプラットフォームなのか』という簡潔な記事を書くのがわたしの計画だ。CLRが非常に動的なPython言語のための素晴らしいターゲットであることを知って、この計画は変わった。それ以来、空いた時間の多くをIronPythonの開発に投じてきた」

 ただし同氏は、空き時間にしかプロジェクトに携われないことで進捗が遅れていることに不満がたまっていったため、Microsoftに入社したと述べた。

 IronPythonはMicrosoftのシェアードコードライセンスで管理される。

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