中規模企業を視野にモジュール型OSの搭載を広げるエクストリーム

エクストリーム ネットワークスは、ExtremeXOSを搭載した「Summit X450シリーズ」と「BlackDiamond 8800シリーズ」の新製品を投入した。

» 2006年08月03日 18時23分 公開
[高橋睦美,ITmedia]

 エクストリーム ネットワークスは8月3日、企業向けレイヤ3スイッチ「Summit X450シリーズ」と「BlackDiamond 8800シリーズ」のラインアップを拡充し、中堅、中小企業向けの販売を強化していくことを発表した。

 エクストリームでは、従来基盤としてきた「ExtremeWare」に代わり、完全なモジュール型アーキテクチャを採用し、各ルーティングプロセスを分離した専用OS「ExtremeXOS」を新たに開発。コア向けシャーシ型スイッチの「BlackDiamond 10808」「同12804」に搭載するほか、これをプラットフォームとした製品を、コアからエッジに至るまで全面的に展開していく方針を明らかにしている。

 今回の発表もその構想に沿ったものだ。ExtremeXOSの搭載により可用性を高めるほか、「バーチャルセキュリティリソース」(VSR)をはじめとするセキュリティ機能との連動が可能となった。

 同時に、コストパフォーマンスが強く求められるエッジには「e」ラインを、高度なルーティングや処理能力が求められるアグリゲーションの部分には「a」ラインという具合に2つの製品ラインを用意。それぞれの要求に合わせた製品ラインを提供することで、多様化するニーズに応えられるとしている。

エクストリーム ネットワークスのプロダクトマーケティングマネージャ、島宣博氏

 Summit X450シリーズではeラインとして、PoE対応の1000BASE-Tを24ポート搭載した「Summit X450e-24p」を追加。またaラインでは、「同450a-24t」「450a-24tDC」「450a-48t」を投入している。価格は450e-24pが96万円から、450a-24tが125万円から。

 一方、BlackDiamond 8800シリーズ向けには4つのモジュールを提供。eラインとして「G48Pe」「G48Te」を、aラインとして「G48Ta」「G48Xa」をリリースする。いずれもギガビットイーサネットを48ポート搭載するモジュールで、違いはPoEやmini-GBICサポートの有無だ。価格はG48Teが152万円から、G48Taは217万円から。

 新製品はいずれも、ポリシーベースのルーティングやVSRによる暗号化、セキュリティの確保に加え、sFlowのサポート、IPv6のハードウェアルーティングといった機能を備えている。ただし、アグリゲーション向けの製品ではより大きなバックプレーン容量を確保し、スケーラビリティを持たせた。

 逆に、エッジ向けのeラインの製品群では、コンポーネントを集約することでコストパフォーマンスの向上を図っている。また、PCをはじめ、各種デバイスでのギガビットイーサネットのサポートが広がりつつあることを踏まえ、PoE対応のギガビットポート。こうして「いろいろな機器がつながることにより、今度はそこでの検疫が重要になってくる」(同社のプロダクトマーケティングマネージャ、島宣博氏)とし、ネットワークアドミッションコントロール(NAC)機能との連携によるセキュアなネットワーク環境の実現が重要だとした。

 エクストリームは引き続き2006年後半から2007年にかけて、ExtremeXOS搭載の製品ラインアップを拡充し、ポート密度をさらに高めた機種や10GbEモジュールなどを追加していく計画という。

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