一方、XMLHttpRequestオブジェクトは、Internet Explorer 7の場合、組み込みのオブジェクトとして提供される。Internet Explorer 6.0まではActive Xの利用許可がないセキュリティ環境では、Ajaxアプリケーションを利用できなかった。しかしInternet Explorer 7では、その制限がなくなる。
ちなみにInternet Explorer 7には、内蔵XMLHttpRequestオブジェクトの利用許可を設定するためのチェックボックスが設けられており、明示的に無効にすることもできるのだ。
XMLHttpRequestオブジェクトは、HTTP通信ができるオブジェクトのこと。Webサーバに対してGETメソッドやPOSTメソッドを使った要求が出せるものだ。受信できるデータ形式は、「テキスト形式」または「XML形式」のどちらかとなっている。
XMLHttpRequestオブジェクトは、非同期にデータ受信ができる特徴も持ち、受信が完了するとイベントが発生する仕組みになっている。そのため受信が完了するまで処理がブロックされるということはない。
2. DOM
DOM(Document Object Model)は、HTMLまたはXMLコンテンツをツリー状に管理し、JavaScriptからコンテンツツリーを読み書きする機能だ。
ユーザーに表示しているHTMLをDOMを使って書き換えることで、コンテンツの内容を部分的に差し替えられる。例えば、次のようなHTMLがある場合を考えてみよう。
<div id="place">リンゴ</div>
この指定をJavaScriptから、次のように指定すれば、この「リンゴ」という文字列は「ミカン」に置き換わる。
document.getElementById('place').innerText = 'ミカン';
Ajaxアプリケーションの基本的な構成を図示したものが図1だ。
図1に示したように、クライアントサイドで動作しているJavaScriptがXMLHttpRequestオブジェクトを用いて要求を出す。そしてDOMを用いて、ユーザーに表示しているコンテンツを差し替えるのだ。
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