1つのリポジトリであらゆるコンテンツを管理、ECMへの本格参入狙うオラクル

日本オラクルはまもなく、データベースで一元的なコンテンツ管理を実現する「Oracle Content Database」をリリースし、国内でもECM市場へ本格参入する計画だ。

» 2006年08月30日 17時39分 公開
[高橋睦美,ITmedia]

 日本オラクルはまもなく、データベースで一元的なコンテンツ管理を実現する「Oracle Content Database」をリリースし、国内のエンタープライズコンテンツ管理(ECM)市場へ本格参入する計画だ。

 米Oracleのテクノロジー・グローバル・セールスサポート担当シニアディレクター、ニック・クリティコス氏は8月30日、近々発表予定というECMソフトウェア「Oracle Content Database」の概要を紹介した。これは米国では6月にリリース済みの製品だ。

 Oracle Databaseはいわゆる構造化データを格納するRDBだが、Oracle Content Databaseを組み合わせれば、電子メールやWord、PowerPointやPDF形式の文書など、さまざまな「非構造化」データについても直接格納できる。つまり、1つのリポジトリで構造化/非構造化データの両方を管理することができる。

米Oracleのテクノロジー・グローバル・セールスサポート担当シニアディレクター、ニック・クリティコス氏

 同社がECM製品をリリースする背景には、2つの大きな動きがある。1つは、非構造化データの量がどんどん増加しており、「企業内の情報のうち80%は非構造化データであり、しかもうち90%は管理されていない」(クリティコス氏)状態にあること。一方で、SOX法をはじめ、さまざまな法規制への遵守が求められている。この結果、「非構造化データをコントロールしたいという企業のニーズは高まりを見せている」(同氏)

 Oracle Content Databaseでは、「非構造化データや文書そのものに加え、メタデータや属性、監査情報などをひとまとめに格納することができる」(クリティコス氏)。必要なときに迅速にデータを見つけ出すことができるため、コンプライアンス対応上非常に有利だとした。

 同時に、バージョン管理やワークフローの制御、BPELに基づくイベントシステムとの連動といった機能が提供されるほか、SOAを通じて既存のアプリケーションとの連携が可能だ。また、Oracle Databaseそのものが備えるセキュリティ機能や監査機能、高可用性などをそのまま享受できる点もメリットだという。

 なお、同社の「Oracle Collaboration Suite」でもコンテンツ管理機能が提供されている。それを切り出し、イベントシステムとの連携機能などを追加したものがOracle Content Databaseという位置付けだ。

 「Oracle Content Databaseにより、コンテンツサービスを企業全体のインフラの形にしていくことができる」とクリティコス氏は述べ、既存のECMシステムやMicrosoft SharePointなどとの差別化を図っていくとした。

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