SOA成功へのステップ動き出したSOAのいま(5/5 ページ)

» 2006年09月11日 08時00分 公開
[生熊清司,ITmedia]
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ITRが考えるSOA実現のステップ

 ITRではSOA実現のステップとして、(1)現状調査、(2)サービス用件の定義と管理体制の確立、(3)サービスの定義と実装、(4)管理と監視を提唱している。サービスのライフサイクルを管理するプロセスを全社的な視野で確立し維持することがSOA成功の鍵となる。

 しかし、これは全社の業務とそれにかかわるシステムの全面的な刷新を「ビッグバン・アプローチ」で行うことを強要するものではない。SOAの良い点は「疎結合」であり、段階的なアプローチが取れることである。

 またSOAの技術的な基盤であるWebサービスのSOAP(Simple Object Access Protocol)、WSDL(Web Service Description Language)、UDDI(Universal Description, Discovery and Integration)の実用度も向上しており、さらにBPEL(Business Process Execution Language)やESB(Enterprise Service Bus)なども登場、各ベンダーは対応製品の投入を行ってきた。このように、各ベンダーは今後SOAを実現するためのミドルウェアがDBMSやERPパッケージ以上に重要な製品ラインになると考えている。

 もちろん、SOAはすべての情報システムが抱えている問題を一瞬で解決してくれる夢の特効薬ではなく、システム構築時には技術的、組織的に解決しなければならない作業や問題が発生する。しかし、企業の競争力の源泉となるコスト、スピードおよび柔軟性に対して情報システムが阻害要因とならないためにも、SOAの考え方を取り入れることが推奨される。


 次回は「SOA実現のためのステップと留意点」について説明しよう。

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