Microsoftの新体制は今どうなっているのか？――コンシューマー分野編（3/3 ページ）

[Matt Rosoff ，Directions on Microsoft]

コミュニケーション
　2006年度のWindows Mobileデバイスの出荷台数は600万台を超えている。Back氏は、エンタープライズ市場でのResearch In Motionが提供するBalckBerryからのシェア“回収”や、モバイルサービスプロバイダやハンドセットメーカー（HTC、Motorola、Palm、Samsungなど）との強いパートナーシップを引き合いにして、今後もこの分野は成長を続け、利益をもたらすとしている。

コンシューマー向け生産性製品
　同部門4つめの事業であるコンシューマー向けハードウェア（キーボードおよびマウス）とソフトウェア（エンカルタ、Money、Worksなど）ビジネスは、長年黒字を達成しており、今後もこの傾向は続くとしている。

　Microsoftが各部門について示した事業展開の正当性としては、E＆D部門の説明が最も説得力に欠ける。2006年度のホーム＆エンターテインメント部門の実績が予想を下回ったことについての説明はなく、この事業分野の市場予想や対象製品についての詳細も聞かれなかった。

　また、役員のうち誰一人として、最大の強みも経験もソフトウェアにあるMicrosoftが、ハードウェアビジネスを追求しなければならない理由を説明していない。実質的には、引き続き投資家に、保証のないまま2008年度以降に採算がとれるようになるのを辛抱強く見守るよう求めていると言える。