ブルーコートがNetCache買収を完了、当面はサポートを継続

ブルーコートシステムズは9月12日、米Network ApplianceのNetCache事業の買収を完了したと発表。一定期間は販売、サポートを継続するも将来的には製品が終息することをにおわせた。

» 2006年09月12日 15時14分 公開
[堀見誠司,ITmedia]

 ブルーコートシステムズは9月12日、米Network Appliance(NetApp)のNetCache部門の買収を完了したことを発表した。買収は米国時間の11日に約2390万ドルと米Blue Coat Systemsの発行済み株式36万株で行われ、Blue Coat公開株の3%を保有するNetAppはBlue Coatの株主となる。

 ブルーコートシステムズの主力製品「Proxy SGシリーズ」は、プロキシをベースにセキュリティ機能やWANアクセスの高速化機能を提供する。一方のNetCacheは、コンテンツキャッシュサーバ機能を提供するアプライアンス。今回のブルーコートによるNetCacheの買収は、今後ストレージ事業に注力するNetApp側と「アプリケーション配信の中核はプロキシであるという戦略を明確に打ち出す」というブルーコート側の思惑が一致したことにより実現した。

Blue Coatのヤング副社長

 「かつての競合でもあった業界第2位のNetCacheを手に入れたことにより、70〜75%のシェアと1500もの顧客リストを獲得できた」(米Blue Coat Systemsのマット・ヤング アジア太平洋地域担当副社長)

 買収の最大のメリットを「顧客の拡大」とするブルーコートでは、今後もNetCache製品の販売を継続、米国、英国、日本、マレーシア各国にある技術者拠点で既存ユーザーのサポートを行う体制を敷く。

 国内においても、サポートセンターを開設し、9月末から10月初旬の期間に電話あるいはWebでのサポートを開始する予定。また、社内で専任技術者を育成しながらサポートおよびプリセールスでエンジニア2名の増員を検討しているが、日本ネットワーク・アプライアンスからの人員の受け入れは考えていないという。

 しかし、「日本ネットアップとの連携を図りつつ2次代理店などの販売会社との提携も進める」としながらも、NetCacheの販売やサポートサービスの継続は「一定期間」となる。ブルーコートは、全世界的にNetCacheのユーザー環境においてProxy SGへの移行を進めており、SSL通信の検閲やスパイウェアのブロックといったNetCacheにはないセキュリティ機能を既存の顧客に提案していく考え。プロキシ用途では重複し、ハードウェア性能的にProxy SGに比べあまり優位性がないNetCache製品を長期的に並行販売していくメリットは少ない。

 「NetCache製品は将来的に整理していくことになるだろう。技術特許や顧客はブルーコートの資産として残る」(ブルーコートシステムズの河田英典社長)

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