eBayと統合するOfficeファミリーが登場――小規模企業向けに会計パッケージ

Microsoftが小規模企業向けに提供する「Office Accounting 2007」のβ版は、eBayへの商品の出品／販売を支援し、複数の通貨をサポートする。ただし、Dynamics CRMとは統合されない。

[Chris Alliegro，Directions on Microsoft]

　「Office Accounting 2007」はMicrosoftが小規模企業向けに提供する基本的な会計パッケージで、Small Business Accounting（SBA）2006のフォローアップリリースとなる。Office Accounting 2007のβ版は小規模企業によるeBayへの商品の出品／販売を支援し、複数の通貨をサポートする。さらにOffice Accounting 2007では、Outlook向けの顧客管理／リードトラッキング用プラグイン「Business Contact Manager」との間での顧客情報の同期化が容易になる。

Office Accounting 2007とは？

　Office Accounting 2007は、Microsoftが2005年9月にリリースしたSmall Business Accounting（SBA）2006のフォローアップリリースだ。同製品は基本的な複式簿記を提供し、シンプルでカスタマイズが可能なインタフェース、共通の財務管理機能にアクセスするためのウィザード、Officeとの統合を特徴とする。同製品は、従業員数が最大25名の小規模企業向けで、パートナー企業のソフトウェア（例えば、給与処理用など）と統合したり、Visual Studioおよび.NET Frameworkで拡張したりできる。これまでのバージョンと同様、Office Accounting 2007は主にIntuitの人気製品であるQuickBooksやBest SoftwareのPeachtreeと競合することになる。

顧客管理／リードトラッキング機能との同期

　顧客やパートナー各社は、2006年9月にリリースされたOffice Accounting 2007のβ版を見れば、2006年第4四半期にリリース予定の同製品の最終版の機能をプレビューできる。主な機能は以下のとおりだ。

• eBayとの統合。企業はOffice Accounting 2007で管理されている在庫品目に基づき、eBayへの出品を決定し、投稿できる。
• PayPalを介した支払いのサポート。PayPalは、企業や個人がインターネット経由で料金の支払いや受取りを行うサービスを提供しているeBay傘下の企業だ。
• Business Contact Manager（現在はOutlook 2003 with Business Contact Managerと呼ばれている）との統合の強化。ユーザーはOffice Accounting 2007とBusiness Contact Managerのどちらからでも顧客情報の閲覧や更新を実行でき、Office Accounting 2007のレポート（損益や顧客履歴など）をBusiness Contact Managerで閲覧できる。
• 見積もり、請求書、銀行取引などで複数の通貨をサポート。米国外のベンダーや顧客と取引関係を持つ企業に役立つ。
• Office Accounting 2007のフォーム、リスト、レポートのカスタマイズ。例えば、企業は請求書に含まれるフィールドやそのレイアウトを指定できる。

　Office Accounting 2007のβ版は2006年8月末にリリースされた。MicrosoftはOffice Accounting 2007の最終版を2006年第4四半期にリリースする計画だ。Small Business Accountingと同様、Office Accounting 2007も米国でのみ提供される。同社は、同製品の価格とパッケージングについてはまだ発表していない。