Officeから転身、特命を受けたWindows新首脳陣の顔ぶれ（1/2 ページ）

Windowsの新首脳陣は、Windowsの後続バージョンをスケジュールどおりにリリースするというCEOのSteve Ballmer氏からの特命を帯びている。その最新の顔ぶれを紹介する。

[Rob Helm，Directions on Microsoft]

　Windows Vistaのゴールが見えた時点で、長年Office部門を監督してきた上級役員の一団にWindows開発の指揮のバトンが渡された。Windowsの新首脳陣は、Windowsの後続バージョンをスケジュールどおりにリリースするというCEOのSteve Ballmer氏からの特命を帯びている。近年のWindows部門は、スケジュールの延期を繰り返してきている。

Office役員がWindowsの新首脳陣に

　発表のあったWindows部門における大規模な役員人事は、次のとおりである。

Jon DeVaan氏
　Brian Valentine氏に代わり、Windowsコアオペレーティングシステム部門担当上級副社長に就任。Valentine氏と同様に、Windowsのコアコンポーネントの開発を監督することになる。また、Microsoftのソフトウェアエンジニアリングのアプローチを見直し、改善を図るという現在の業務も継続して行う。DeVaan氏は、Microsoftでの勤続年数が22年という古参である。2002年に実施された大規模な組織再編および戦略変更の前には、TVプラットフォーム事業を監督している。それ以前はOffice開発を指揮しており、その当時に同氏のソフトウェア開発プロセスに関する造詣が深められた。

Brian Valentine氏
　Microsoftを退社し、Amazon.comへ移った。Valentine氏は、長期化し困難続きの開発サイクルをくぐり抜けてWindows 2000を市場に送り出すという使命を担い、1998年にWindows部門の一員となった。その後、Windowsのビルドおよびテストプロセスのスピードアップを図るプロセス変更を指揮していた。また、コンシューマー向けのWindows製品のコードを古くなったWindows 9xからWindows 2000ベースに移行する作業を指揮したほか、2001年のCode Redワーム攻撃を受けて、Windowsセキュリティのデザイン改良およびプロセス変更を積極的に推進した。

Julie Larson-Green氏
　Windowsエクスペリエンスプログラムマネジメント担当コーポレート副社長に就任。新しいOffice 2007のユーザーインタフェースをデザインした経験を買われ、Windowsのユーザーインタフェースとなるコンポーネントのデザインを指揮する。Larson-Green氏の新しい職務は、現在Windowsのプログラムマネジメントを指揮しているChris Jones氏の職務と重複する。Larson-Green氏の直属の上司は、Officeのユーザーインタフェースデザインを監督していた前職でも間接的に上司であったSteven Sinofsky氏となる。Larson-Green氏は、1993年にパブリッシングソフトウェアの草分けAldus（当時、その後Adobeが買収）を経てMicrosoftに入社している。

Grant George氏
　Windowsエクスペリエントテスト担当コーポレート副社長に就任。Sinofsky氏に直属する。George氏の新しい職務は、これまで全Windows開発のテストおよびビルドラボを指揮してきたAmitabh Srivastava氏の職務と重複するようだ。George氏は1994年にTandem ComputersからMicrosoftに移って以来Officeテストに携わってきており、前職ではOfficeテストの指揮官を務めている。

　共同社長のKevin Johnson氏、Jim Allchin氏に直属するレベルでの、Windowsプラットフォームおよびサービス部門における役員人事は次のとおりである。