Sun、NetBeansの初心者向けバージョンをリリース

NetBeansの新バージョン「NetBeans IDE/BlueJ Edition」がリリースされた。フル機能を備えたプロ向けIDEへの移行パスを学生に提供する教育用ツールであるという。

» 2006年09月21日 13時57分 公開
[Scott Ferguson,eWEEK]
eWEEK

 Sun Microsystemsは、NetBeansコミュニティーおよび英ケント大学と共同で、統合開発環境(IDE)のNetBeansの新バージョン「NetBeans IDE/BlueJ Edition」のリリースを発表した。

 従来版のNetBeans IDEと同様、NetBeans IDE/BlueJ Editionも無償のオープンソースIDEとして提供される。

 カリフォルニア州サンタクララを本拠とするSunによると、BlueJ Editionは、フル機能を備えたプロ向けIDEへの移行パスを学生に提供する教育用ツールだという。

 BlueJそのものは、英ケント大学と豪メルボルンのディーキン大学で開発されたプログラミング環境で、Javaの初心者プログラマーの教育を支援することを目的とする。

 このプラットフォームは、開発者がオブジェクト指向プログラミングの概念を理解するのに役立つ視覚化機能や対話機能などを備える。

 Sunによると、両大学は1999年にBlueJを最初にリリースしており、同プラットフォームは現在、全世界で600校以上の専門学校や大学で利用されているという。

 Java言語の開発者であるSunのジェームズ・ゴスリング副社長は2006年3月、ニューヨークで開催されたSun Worldwide Education and Research ConferenceにおいてeWEEKとのインタビューで次のように語った――「現在、ツール分野で起きている最も興味深い出来事は、BlueJの開発者とNetBeansの開発者が連携し始めたことだ。この取り組みは、人々に開発の手ほどきをするだけにとどまらず、彼らを初心者の段階から本格的な開発レベルへと導くことを目指したものだ」。

 Sunによると、NetBeansのダウンロード数は1000万件を超えているという。

 コロラド州オーローラにあるオーバーランド高校で数学とコンピュータサイエンスを担当するインストラクターのジェイソン・モーリン氏は、「β版の素晴らしい使い勝手を知って以来、NetBeans/BlueJエディションのリリースを心待ちにしてきた」と話す。

 「現在、NetBeans/BlueJをコンピュータサイエンスの上級クラスで使っている。Eclipseを試したこともあるが、教師にとっては管理するのが大変だ。それにEclipseは、プログラミングの経験のない学生には理解しにくい」とモーリン氏は言う。

 「プロ向けのIDEツールへの移行パスの必要性を感じていたが、NetBeans/BlueJがまさにそれだ」(同氏)

 一方、SunでJava開発とプラットフォーム技術を担当するローリー・トルソン副社長は、発表文の中で次のように述べている――「BlueJは、プログラミング学習の導入段階での標準科目となったオブジェクト指向開発を教師が学生に教えるためのツールであるのに対し、NetBeans/BlueJエディションは、論理的な次のステップを提供するものであり、学生はアプリケーションを単純なモデルから拡張しながら、プロフェッショナルな開発環境の利用方法を学ぶことができる」。

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