「切り取り」で瞬時のズームやパンを可能に、アクシスがネットワークカメラの新製品

アクシスは、広角レンズで広い範囲を撮影し、その画像の一部を切り取ることで、パンやチルト、ズームといった操作を瞬時に行える新しいネットワークカメラを発表した。

» 2006年10月03日 20時41分 公開
[ITmedia]

 アクシスコミュニケーションズは10月2日、ネットワークカメラの新製品「AXIS 212 PTZ Network Camera」を発表した。広角魚眼レンズで広い範囲を撮影し、その画像の一部を切り取ることで、パンやチルト、ズームといった操作を瞬時に行える点が特徴だ。

 アクシスの代表取締役社長、浅野誠一氏によると、ネットワークカメラ、特にパン/チルト/ズーム対応のカメラは、防犯/監視に加え、マーケティング目的のモニタリングといった用途から需要が伸びてきている。

 「ネットワークレベルのセキュリティと物理的セキュリティは同時に必要なもの。これまで別々のエリアに属していたが、IP化された製品によって、情報システムの担当者が物理セキュリティも含めて一元的に設計、参与できるようになる」(浅野氏)

 AXIS 212 PTZ Network Cameraは、超広角レンズと300万画素(2048×1536ピクセル)の撮影素子を搭載したネットワークカメラ。水平140度、垂直105度の範囲を撮影できるほか、詳細に見たい場所をクリックすると瞬時にパン/チルト/ズームを行える。Motion-JPEGとMPEG-4の両フォーマットに対応しており、VGAサイズで毎秒10フレームの映像をMotion JPEGで配信した場合、使用帯域幅は2.4Mbps、消費ストレージ容量は1日当たり4GB程度という。

 機械的な可動部分に頼るのではなく、撮影画像の一部を切り出す仕組みのため、動作に遅延が生じないことがメリットだ。これは同時に静音化や省電力化につながるほか、カメラがどこを写しているかが分からないため、店舗などで顧客に不快感を与えずに済む。

 Power over Ethernet(PoE)に対応し、ネットワークケーブルから電源を供給できるほか、さまざまなアプリケーションと連動して画像の取得、保存などを行うことが可能だ。たとえば、モーション検知、音声検知機能を活用して特定のトリガーに基づき映像を表示したり、センサーと連動してドアが開いたら録画するといった運用が行える。

 さらに映像データを保護するため、パスワードに基づく権限管理やIPアドレスフィルタリング、HTTPSによる暗号化といったセキュリティ機能もサポートした。なお、カメラの設定やファームウェアの管理といった作業は、同社が提供する管理ツール「AXIS Camera Management」を通じて行える。

 AXIS 212 PTZ Network Cameraの価格は9万6600円。小売業や金融機関など多数の店舗を抱える企業のほか、データセンターやオフィスにおける情報漏洩対策(入退室管理)といった用途を中心に、10月10日より販売を開始する。「アナログカメラに比べ、ネットワークカメラの市場はこれからさらに拡大が見込まれる。その中で主力製品の1つとして提供していきたい」(浅野氏)

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