殻を破れないVBプログラマーに刺激──地方の中堅IT企業が「Microsoft On」を生かすMicrosoft On 出張ワークショップ(1/2 ページ)

マイクロソフトは、8月から「Microsoft On−出張ワークショップ」を展開中。9月のある日、出張ワークショップに同行取材したのは、群馬県桐生市の両毛システムズ。同社担当者は、Visual Basicのプログラマーたちの刺激になれば、と考えたという。

» 2006年10月10日 07時30分 公開
[浅井英二,ITmedia]

 開発者や運用管理者といったITエンジニアを主要な顧客セグメントの1つと位置付けるマイクロソフトは、8月からエバンジェリストらを派遣し、無償でWindows Vistaなどの最新技術動向を説明する「Microsoft On−出張ワークショップ」を展開している。

 Microsoft Onは、すでに北米でも展開されており、忙しいITエンジニアが最新技術を習得したり、スキルアップするのを支援している。ユーザー企業やパートナー企業はもちろん、ITエンジニアのコミュニティーにもエバンジェリストらが出掛け、ITエンジニアと顔が見えるコミュニケーションの機会を増やすのが狙いだ。何と年間1000回の開催を目標に掲げ、広く公募も受け付けている。

 「開発者にもっと近づき、意見を聞きたい──その取り組みの一環だ。技術者は多忙でセミナーを受ける時間がない。地方ではなおさら。ならば出向こう、とマイクロソフトは考えた」と話すのは、デベロッパー&プラットフォーム統括本部でデベロッパーリレーションのマーケティングマネジャーを務める長尾朋代氏。

「開発者を幸せにしたい」とエバンジェリスト

 9月のある日、彼女がデベロッパーエバンジェリストの松崎剛氏とともに訪れたのは、群馬県桐生市を本拠とするシステム開発と情報処理の老舗、両毛システムズ。創業から40年の同社は、従業員数が500人強、売上高は120億円に迫る中堅企業だ。

 同社の大会議室に集まった約40人の開発者らを前に、松崎氏は、「開発者を幸せにするのが、われわれエバンジェリストのミッション」と話す。エンジニアリングが社会を豊かにすると信じ、開発の楽しさを共有したいと彼は常々考えている。

「理系離れを撲滅して、エンジニアになりたいという子どもたちであふれること」が夢という松崎氏

 両毛システムズが、申し込んだ出張ワークショップの内容は、「Visual Studioによるアプリケーション開発実践」と「データベースアクセス技術 ADO.NET」の2つだった。

 同行取材したVisual Studioの出張ワークショップは、Visual Studioの詳細な機能解説というよりは、例えば、.NET Frameworkという基盤となる技術を「CLR」(Common Language Runtime)や「IL」(Intermediate Language:中間言語)というキーワードを中心に説明したように、全体感が把握できるような内容という印象を受けた。

 「.NET FrameworkとVisual Studioというのは、マイクロソフト環境の開発基盤となるもの。Vistaでも.NET Framework 3.0が登場するが、その理解のベースとなるような話に努めた」と松崎氏。

大会議室に集まった約40人の開発者。多くは.NET Framework以前のVisual Basicプログラマーだという
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